2021年にカナダへ留学。語学学校と料理のカレッジで学んだあと、現在は3年間の就労ビザを取得して暮らしている。
大久保佳代子
「カナダに2021年にたぶん行って、4年目なんです。
まあ、ちょっと第2の人生じゃないけど、まあ生活のスタイル変えるのは全然ありというか。
で、たまに1年に1回帰って来るじゃないですか。
人間力が上がって帰って来るんですよ、毎回。
で、私本当に知らないんですよ、どういう生活してるか。」
山本舞香「連絡もそんなに取らないんですか?」
大久保佳代子
「取らない…。向こうが連絡して来たら取ろうかなと思ったら、全くしてこないから」
カナダでの節約生活
職探しは大変…
相方も知らない異国での生活は4年目を迎えた。
光浦さんはカナダでどう暮らし、どう変わったのか?
光浦靖子
「ここに永住する感じではないもんで。いつかここを出なきゃと思って。ここに住んで3年。
お金を使わないようにして暮らしています。
これ(ダイニングテーブルセット)中古で買って、テーブルと椅子がセットで80ドルです。安いでしょ。
植物はね、ホストマザーにもらったり、デビ(友人)にもらったり。
貰いものでできてます。
あと額縁とかも拾ってきたりね。
ここで私が今稼ぐ量と使う量はね、ちょっとまだバランスがね。
まだまだ。まだまだちょっと足りないからね。贅沢をしないっていう。
職を探すのが今難しくて。
移民が多くて、やっぱ職の数より今ちょっと増えちゃったみたいで。
大変ですよ。ワーホリで来てる人も。
日本人の子から聞いたら、もう職が見つからないつって。やばいですよ」
※2023年度人口増加の98%が移民となり、カナダ政府は移民受け入れ減少計画を発表
手をこまねいているわけにもいかず、去年(2024年)のクリスマスに初めてクラフトマーケットに店を構えた。
光浦靖子
「もう学園祭みたい。朝自分で準備して「お客さん来るかな」とかさ。
色んな人が助けてくれてる。
あの、一応黒字にはなったんですけども。微々たる黒でしたね。
労働力の時間給はえーと、(時給)10円か5円くらいですね。時間給は。
もうタダ作ったって感じ。
根詰めてやり過ぎて、あのちょっとここ(肩)が痺れるようになりまして。
鍼治療で儲けがどのくらい減ってくのかな…プラマイ0(ゼロ)!でも、いい思い出」
大久保佳代子
「東京だったら、まあテレビの仕事をこなしつつ、お金に余裕がね、やっぱりある程度あると思うから。そういうのに困らなかったのに。
あっちを取って、あっちを楽しいと思ってるってことがなんかたくましいというか。
まあ、羨ましさもあります」
光浦靖子
「なんか、段々無責任になって来ていいですね。
あの、40代ぐらいはすげぇ責任もたないかんじゃん、色んなことに。
55(歳)越したくらいから、あのー楽しく生きてくだされば結構ですみたいな。
いい意味の戦力外通告?の時期かなと思って。
「あの、もう。あの、大丈夫です。なんかそんなに期待していませんから」っていう」
通っていた語学学校へ
無視されたり、助けられたり…
光浦靖子
「この辺はダウンタウン。この辺に語学学校があったので。
2021年の夏。約1年(通ってた)。途中日本に帰ったりとか。
一瞬別の学校に行ったりとか」
(通っていた語学学校を訪れ、当時の先生とハグする光浦さん)
バーン先生「How are you?(元気だった?)」
光浦さん「good!good!good!」
バーン先生「素敵だよ」
光浦靖子
「He is…He was… He used to be(いいよ!と指をたてるバーン先生)…He used to be my teacher in this school.(この方は以前…この学校で私の先生をしてくださいました)」
バーン先生「yes!How are you?」
光浦靖子「Good!good good! Great!」
バーン先生「素敵になったね」
バンクーバーには語学学校が100校以上ある。
癖のない英語に、治安の良さもあって、語学留学の先として人気のカナダ。
世界各国から訪れる若者たちに混ざって、50歳の光浦さんもバーン先生に学んだ。
バーン先生
「Yasuko was very very good student.(ヤスコはとてもいい生徒だったよ)
ヤスコには上達するという非常に強い使命感があった。
特に力を入れたがっていたのは、リスニングだったね」
光浦靖子
「Yes! listening is so difficult!(リスニングがとっても難しいんです)
私の歳だともう音の違いが分かんないんだよね。
ティーンエイジャーはまだかろうじて音の違いをキャッチできるんだって。
だけど、私の年齢まで来ると、もうこびりついたものが新しい発音とか細かい発音の違いを脳がやっぱりどうしてもわかってくれないから。
もう若い子以上の努力努力をして。
だから、まあ私の体感では、3倍かかるかな、時間が。私はね。
My ears are…もう、もう…stupid!(私の耳がおバカさんなんです) stupid!」
バーン先生「(笑) no stupid. Tired.(おバカではないよ。疲れているんだ)」
光浦靖子「(語学習得)40%ぐらい、まだ」
バーン先生「ヤスコの脳は自分が何を言いたいのか分かっているよ。覚えているのは…」
光浦靖子「I remember the Switzerland girl.(覚えていますよ。スイス人の女の子ですね)」
バーン先生「ヤスコにも我々にもリスペクトがなかったよね」
光浦靖子
「(英語で)クラスでグループワークをやっていたんですよ。
She completely ignored me. Completely! (その時、彼女が完全に私の事を無視したんです。完全無視)
私の言葉だけ聞こえない」
バーン先生「人間性の関係で時々起こるよね」
光浦靖子
「なんかちょっと新鮮だった。小学生以来だった。そんなガン無視って。
えー!50(歳)ですけど?っていう。
ちょっとあまりにびっくりしちゃって。
なんかね、別の10代の女の子たちが…
Teenagerがtake care…なんか、worry about me. Take care of me(10代の子達が気遣って心配してくれたんです)でもう…
ハッ、もう、もう…(涙をぬぐう仕草をする光浦さん)もうalmost crying!(泣きそうになりましたよ)
だって、なんて優しいんだって。
Almost crying. Almost crying.(泣きそうになりましたよ)I never crying.(泣きそう泣きそうって絶対泣かないんですけど)」
(バーン先生(笑))
光浦靖子「It’s interesting.(面白いですよね)」
大人になり、芸人として売れてから、そんなことはなかった。
悔しい。けれど、新鮮でもあった
光浦靖子
「challenge!challenge,challenge,challenge.(挑戦の連続でしたね)
Trouble happen,trouble happen, trouble happen…
もうeveryday trouble happen.」
バーン先生「でも上手くいったね。ヤスコは自分で思っているよりも(英語が)上手だよ」
光浦靖子「Thank you so much」
(バーン先生とハグする光浦さん)
カナダ人の動画配信のパートナーと山登りへ
「初めて」ばかりで楽しくて飽きない日々
青春を分かち合う仲間と約束の場所へ。
マウントシーモア(標高1449m)は手軽に訪れることができる山岳リゾート。
動画配信のパートナーカナダ人のデビさんとスノーハイクに訪れた光浦さん。
デビさんは奥さんが日本人で、日本語もしゃべれます。
光浦靖子「なんか写真撮りたいわね」
(デビさんと2ショットで写真を撮る光浦さん)
デビさん「very nice」
光浦靖子「やっぱあれだね。雪の中だと反射するからさ、ヤスコがいつもよりキレイに見えるね」
デビさん「(笑)大丈夫。いつもキレイだから」
光浦靖子
「いつもあんまキレイじゃないじゃん。だってみんな言うもんね。
やっぱ褒めるね、すごくこっちの人。うーん。だから、良いなと思って。
その、そんなに深い意味なく褒めちゃうっていう。サクッと。
ほんと「一生友達でいてね」って急に言うもんね。
「どうしたの?どうしたの?なんか大丈夫か?デビつって」
最初はくすぐったかったが、「褒める、褒められること」にだいぶ慣れてきた。
光浦靖子
「化粧もしてないし、頭もそんな洗わないわよね。
こっちあの、乾燥してるからさ。3日に一遍ぐらいだよね。
でも、すげぇいいよ、ナチュラルで楽で」
ずっと鎧をまとって生きてきた。
異国の地でそれを脱ぎ捨てたら、いっぺんに楽になった。
生活も人生観も劇的に変わった。
50(歳)を超えた今、光浦靖子は「はじめて」に挑み続けている。
カナダ留学、海外生活、そして…
光浦靖子
「クラフトマーケットでね、自分で出店して、初めて自分の物を売ったりとか。
エキストラにあれ自分で応募して。それでちょっとしたオーディションを受けたりとか、そういうことも自分でやったし。
あと、だってまず(海外で)学校行ったことがすごい初めてだし。
大人になってこんなちゃんと学校行ったりとかね。
まあ、全部初めてです。
楽しいですね。
毎日があのーやっぱりできないことだらけなので、飽きることがないですね」
バンクーバーの生活で生き方が変わった。
日本にいる芸能界の友人
遠く離れた日本から、いつもエールと笑いを届けてくれる大切な仲間がいる。
(スタッフからケータイを渡され、カナダで動画を見る光浦さん)
(居酒屋に集まる清水ミチコさん、白鳥久美子さん、黒沢かずこさん)
黒沢かずこ「オアシズは裏表がないですよね」
清水ミチコ「うん。全然ない」
白鳥久美子
「だから楽ですよね。
光浦さんが(カナダへ)行くって時に、みんなで引っ越し手伝いましたよね。本が大量にあって」
清水ミチコ「大量の本。ウチにはまだダンボール4箱あるけどね。置かしてくださいって。先輩なんだと思ってるんだ。(笑)ケンカしたことある?光浦さんと。
台湾一緒に行ったことがあって。そん時、帰りに空港でpepperくんと喧嘩してた(笑)
「それが正しい答えか、お前の!」つって」
白鳥久美子「正義感。やっぱジャスティスで生きてるから」
黒沢かずこ
「ここもほら、よくグーって歯ぎしりされてた。
だから、(顔の輪郭が)四角になってたけど、今は無くなったって言ってましたもんね」
清水ミチコ「女芸人の中で1番幸せかもね。オリジナルの道を見つけて」
白鳥久美子「50(歳)でもこういう風に挑戦していいんだなとか」
黒沢かずこ「光浦さん(一時帰国の際)ご飯食べ終わった後に「じゃあね、黒沢」って言って最後ハグ」(笑)
清水ミチコ「らしくないね~。そんな人じゃなかったもんね」
黒沢かずこ「びっくりして連絡しました」
(カナダの光浦さん)
光浦靖子
「仲良しが映ってた。嬉しくなっちゃった。
やっぱあの人たち、芸人さんだから面白いじゃないですか?ただの一言も。
3人には助けられてますよ、本当に」
英語を学ぶ理由
いつか英語で人を笑わせたい
そして今このカナダで光浦さんをハグしてくれるのは…
カナダ人の友人ジョーダンさん(女性)。
光浦靖子
「She is my friend. Best friend.(彼女は私の友達です。大親友です)She is so kind!(本当に優しいの)
私のよくわからない英語にもね、もうホント付き合ってくれてね。
You are the oldest friend in Canada.(カナダで1番古い友達です)」
ジョーダン「wow!結構経ってるのね」
2人の間には言葉の壁はなかった。
ジョーダン
「私たち自身のコミュニケーションは…全く問題なかったわ。
でも、ヤスコは気にしすぎてた時もあった。
あなたが自信を持つのに苦労する姿は見てきた。
でも、絶対にあきらめないの。
英語を学ぶいろんな方法を探しているの。
だから、本当にかっこいいなって思った。(Yasuko is so cool.)」
光浦靖子「うわーThank you. Never give up.」
なぜ、なにが英語習得へと駆り立てるのか?
光浦靖子
「Someday sometime, I want to make them laugh.(「いつか笑わせたい」って思うの)
Then make them talking with a Yasuko is fun!(ヤスコと喋るのは楽しいって思わせたい)
So I think I have to improve my English. (だから英語上手くならないとって思うんだけど…)
But it takes long time I thought.yeah…(思ってたより全然時間がかかるのよ)」
ジョーダン「理想にたどり着くと思うよ」
光浦靖子「もっと笑ったりできるとこまで私は英語をやりたいわけなんですよ」
(スタジオで)
大久保佳代子「人を笑わせたいって、日常会話からもう1個上のレベル」
今田耕司「でもなんで光浦さんはカナダに留学したんやろ」
大久保佳代子「なんか言ってたな~。なんか言ってましたわ。」
今田耕司「もうさ。ちゃんと話してないから、相方と」
(バンクーバーと国際電話をつなぎ、光浦さんと直接会話。カナダは深夜3時18分)
今田耕司「いやでも、カナダの生活見してもらって、一番向こうに行って何が変わった?」
光浦靖子「あ、楽。楽ですね」
ようやく、心底そう思えるようになった。
留学しての変化
いっぱいいっぱいになった日本の生活…タイミングがと想いが合致し、50歳で留学へ
(カナダで)
光浦靖子
「なんかこっち来る前は、いっぱいいっぱいになっちゃってて。
イィィィィィっていう感じで。
いつも怒ってるか泣いてるか」
大学生でオアシズ結成。人気バラエティ番組でレギュラーの座を獲得し、芸能界を走り続け、不動の地位を手に入れた。
が、50(歳)にしてリセット、カナダへ。なぜ?
光浦靖子
「大きなきっかけっていうより、小さなきっかけがいっぱいあって。うん。1個になったって感じ。
うん。時期的にね。だから、仕事がその都合がつくようになった。
あとはやっぱ、ずーっとちっちゃい頃から、留学してみたかったっていうこの夢があったりとか。
あとは、1回ちょっと休憩がしたいっていうのもあったし。
すぐね、「あ、なんか面白い事言わなきゃいけないのかな」とか。
「あ、面白いって一体何なんだろう」とかもなんかグルグルグルグルとかね。
だって、こんな私みたいな人間がね、物を食べてる画見てね、茶の間の人は喜ぶわけないっていうそういう。
なんかこう、非難されるんじゃないかとかね。
すぐつまんないだ、面白くないだとかこういつもジャッジされてる感じがしたけど。
なんかね、自信がなかったので。
あ、この人はね、いいこと言ってくれてるけど、本当は心の中では違うこと思ってんじゃないかなとか」
求められる「クソババア」の人格を伸ばし…
光浦靖子
「人格はいっぱいあるからさ。
そのうちの、求められてる人格だけギューンと伸ばしたから。
色んな人格は自分の中にあるけど、こっちの人格はキューン(と小さく縮めて)、こっちの人格はキューン(と小さく縮めて)。
で、クソババアの、リクエストが多かったクソババアの光浦ババアはビューン(と大きく膨らまして)とかね。なんかそういう感じでやってっとるうちに。
嘘じゃないからどれも、うん。
したら、なんかそういう人になってきちゃったというかね。
意地悪なことを言うとかね。人のなんかこう揚げ足を取るとか。
まあ、そういうことを求められたりしとるうちに、そういう自分にもなってったのは否めないなみたいなね」
ならば今度は、もっと違うキャラクターを膨らませてみよう。
一度はあきらめていた留学という夢を叶えた。
そうして始まったカナダでの日々。
ある日いつもの公園で、耳に飛び込んできた言葉に心を揺さぶられた。
光浦靖子
「おばあちゃんが言っとったのがね~なんだったっけな~。
「Almost everything will work again, if you unplug it for a few minutes.」
「1回この線を抜けば、大抵のものは動く」(笑)
なんか電化製品だけじゃなくて、人間もそうだな~と思って。確かに!と思った。
うん。1回休んだら、また動くようになったな~って」
動けなくなったら、スイッチを切って、また入れ直せばいい。
見慣れた景色も、また違って見えるはず。
何もできなかった…毎日がちょっとずつ加点法
光浦靖子
「「ああ~もうなんて幸せだ」ってホントよく思う。
本当にゼロで何もできなかったから。
なんかもう、本当にね、何もできないからね、こう毎日がちょっとずつ加点法」
(スタジオで)
光浦靖子(電話)
「ざっくりした意味を理解するだけで精いっぱいだから。
なんかこう、素直になるっていうか。大雑把になってきますね。あの、脳みそも」
(カナダで)
大久保さんへ
光浦靖子
「大久保さん、最近なんか健康志向になっちゃってさ。
なんかトレーニングしなきゃいけないってなっちゃってるから。
健康には気を付けてだけど、元あったかよちゃん思い出して。
だらしなかったじゃない。
だから、もうちょっとリラックスして、テレビを楽しんでください。
で、テレビの世界で天下を獲って、バーターでいいとこどりのお仕事をください」
(スタジオで)
大久保佳代子
「楽に楽しく困難もいろいろ楽しんでいる状況を見ると、なんでもいいんだなって。
私がちょっと楽になりました、光浦さんを見て。
まあ、変な話、芸能界にしがみつかなくてもいいし。
まあ、いつでもそっか。わたしもまだまだなんかしてもいいんだなって気には…」
今田耕司「オアシズ光浦靖子さんにとって、カナダはどんな場所でしょうか?」
光浦靖子「力の抜き方を教えてくれた街です」
(カナダで)
光浦靖子「1回0点になるといいですよ。あの、1回0点になるとね、もう毎日ね、このね1点ぐらいずつくれるんで」
実績も評価も勇気を持って手放せば、後の人生ボーナスステージ。
ここでの毎日が1点ずつのご褒美。
50なんてまだまだ折り返し。何度だって踏み出せる。