東京海洋大学の客員教授
幼い頃ファンだった子が大学に入学
加藤浩次「今は東京海洋大学の客員教授ということでいいのかな?」
さかなクン「そうなんです。その機会をいただきまして。」
サバンナ高橋「授業ちゃんとやったりしてるんですか?」
さかなクン「はい」
加藤浩次「海洋大学だったら、魚が大好きな子たちが集まってるわけでしょ?」
さかなクン
「はい、そうなんです。嬉しいことに、自分がこの活動ずっとさせていただいてますので。
2000年とか、そのぐらいから始めて。
その頃に、やっぱりよく通ってくださったお子さんがいるんですよ。
そのお子さんがなんと、「さかなクン。東京海洋大学に入りました」。
「え~っ!あの時の~!?」って」
不器用で続かなかった仕事…そして、テレビの世界へ
TVチャンピオンの全国魚通選手権で優勝
〇一品目 神奈川県鎌倉市大船 すし処 川澄
さかなクン
「そのお店はもう閉店してしまったんですけれども、ごめんなさい。
実はわたくしですね、高校生の時に、魚がやっぱ大好きなので。
お魚の番組とかもワクワクして見てまして。
で、お魚の選手権があったんです」
加藤浩次「TVチャンピオンでしょ?」
さかなクン
「そうです~。TVチャンピオンの番組で“全国魚通選手権”ってあったんです。
で、すし処 川澄さんのお店は、第4回の決勝戦だったんです」
サバンナ高橋「会場やったんや」
加藤浩次「あ~そういうことね。それでどうだったの?成績は」
さかなクン「優勝しました」
加藤浩次「え?川澄さんは何してんの?」
さかなクン「今ですね。おすしの先生として」
加藤浩次「学校で?お寿司は美味しいんですか?」
さかなクン「メチャクチャおいしいです!もう本当に目利きがもう素晴らしくて」
おっちょこちょいで続かなかったアルバイト…
加藤浩次「え、すし処 川澄さんで働いてたの?その後」
さかなクン
「あ、実はそうなんです。いよいよやっぱ就職しないといけないと。
で、水族館さんとか魚屋さんとか熱帯魚屋さんとか色々働いたんですけども。
おっちょこちょいで、全部なかなか合わなくて」
加藤浩次「何が合わなかったの?」
さかなクン
「え~と。あの、例えば熱帯魚屋さんで「ハイビスカス(熱帯魚)ちょうだい」。
「はい、分かりました~」って言って、(魚を入れた袋に)空気バーッっと入れますよね。
空気のさじ加減が分かんなくて、パァン!って。(笑)
スーパーさんでも、「廊下を機械で掃除しとけ」って言われて。あれが難しいんです。
もう、ビーンってやったら、バーって、「うわ~機械にまわる、機械にまわる、助けて~!うわ~!」(転げて倒れるさかなクン)」
サバンナ高橋「一人でディズニーやってるやん、もう」
さかなクン「あの機械止めらんないんです」
加藤浩次「すごいね~」
さかなクン「いや、もうホントにもう…」
優しかったすし屋で働くも上手くいかず…「壁に絵を描いて」
加藤浩次
「ジム・キャリーじゃないの。(笑)
そしたら、川澄さんはどうしたの?」
さかなクン
「川澄さんに電話して。「あの…川澄さん。働かせていただくことできませんでしょうか?」って言ったら、「ああ、いいよ!明日から来な」って。
で、もう次の日から」
加藤浩次「メッチャいい人だね」
さかなクン「すっぎょく良い人なんです」
加藤浩次
「でも、お寿司屋さんでも色々まあ、握れるわけではないし。色んな作業があるでしょ?」
さかなクン
「そうなんですよ。最初からやっぱり握らせてはいただけないので。お皿荒いですね」
加藤浩次「お皿割ったりとか」
さかなクン「割ってました」
加藤浩次「「割ってました」じゃないよ(笑)」
さかなクン「ガチャーン、ガチャーン!うわ~!」
加藤浩次「そこ(魚以外)の作業に興味が無いんだと思う」
サバンナ高橋「魚をもう早く触りたいんでしょうね」
加藤浩次「そう」
さかなクン
「あとその段々ウトウトしちゃったりですね。
「ああ、魚じゃない…魚じゃない…」。ガッチャーン!
「おお!またやってしまった~」」
加藤浩次「「辞めろ、お前。仕事出来ないから、もうちょっと変えるわ」とは言われなかった?」
さかなクン「はい。あの、「じゃあ、握ってみるか」って」
加藤浩次「メッチャいい人だね」
さかなクン
「そうなんですよ。で、「ホントですか!握り教えてくださるんですか」って」
加藤浩次「どうだった?握って」
さかなクン「それが、もうどんどんシャリが大きくなって、「うわ~!」おにぎりみたいになっちゃう。どうやっても」(笑)
島崎和歌子「なんで?なんで?」
さかなクン「分かんないです」
加藤浩次「話が全部“ちびまる子ちゃん”だよね」(笑)
さかなクン
「そこで川澄さんがおっしゃったのは。
「じゃあさ、魚の絵上手に描けんだから、壁にいっぱい描いてくれよ」って」
加藤浩次「お店の?」
さかなクン「壁に。で、「ちゃんと時給も出してあげるからさ」と」
サバンナ高橋「描いてるだけで?すごっ!」
絵を描いてるところがドキュメント番組に…
さかなクン
「はい。で、その絵を描いてたら、ドキュメンタリー番組のディレクターさんが、ドキュメント番組にしてくださって。(※1999年放送 TBSドキュメントD・D「魚クイズ王の青春湾岸地図」)
今の事務所の会長さんが、社長さんが、観てくれてまして」
加藤浩次「テレビを見てたんだ?プロダクション」
島崎和歌子「絵は何?独学で習ったの?」
さかなクン「あ、はい。あのもう見て。こんなかわいさかなって感じで」
魚に最初に興味を持ったキッカケ
友達が描いているタコの絵がキッカケでタコに夢中に
幼い頃から絵を描くことが大好きだったというさかなクン。
小学校2年生の時に、衝撃の出会いが。
さかなクン
「友達がタコの絵を描いて。
それもう、気づいたら、「あれ?僕のノートじゃないか、石川くん!」って。
「あ~何これ!?」って。ノートから、バーッってこう出てくる勢いのタコさんだったんです」
サバンナ高橋「石川くんの絵が」
さかなクン
「勢いがすごくて。目!口!墨!足!って感じで、「おおっ!」って。
「うわ~これは絶対もう、徹底的に調べないと!」と」
加藤浩次「え~まずタコに興味持ったの?」
さかなクン「はい。タコに。はい。
それでもう、授業中もそれずーっともう頭がタコでいっぱいになっちゃって。
「うわ~タコ。タコ調べたい。タコ面白い!」。
で、「よし!本物を見に行かなければ!」って魚屋さんに行って。
「うわ~これが本物のタコか!すぎょい!イボイボだ」。
でも、それはゆでダコなんですね。
「あ~、今度は元気な姿見たい!」と。
で、今度は水族館さんに行って。「いた~!!タコちゃ~ん!」って。
「足を伸ばしてちょうだい。ああ、足を伸ばしてくれてありがとう」。
ああ、壁があってこれは…」
サバンナ高橋「触られへん」
さかなクン
「そう。それで、次は「海だ~!」って。
来る日も来る日も海に行って。
「タコちゃんどこだい?タコちゃん!」って」
加藤浩次「いないでしょ?」
さかなクン「なかなかいないです」
加藤浩次「いないよね」
さかなクン
「はい。夏休みの最後の日に会えたんです。黄色いメガネ目で見て、「うわ~!たこちゃんだ!タコちゃんだ!」って、もう無我夢中で服のままでバーッっと「うわ~タコちゃん、すごい力。吸盤バクッ。うわ~いや~!」って」
加藤浩次「分かんねぇんだよ。結果どうなってるのか。結果捕まえたのね?」
さかなクン「はい」
加藤浩次「で、そのタコはどうしたの?」
さかなクン
「ペットにしたくてですね。もう家に連れて帰ったんですけども。
フラフラになって、昼寝しちゃったんです。
パーッと起きて、「ああ!タコちゃん元気かい?」と思ってバケツのフタ開けたら、夏休みでしたんで、炎天下で水がお湯みたいになってて。
真っ白になってのびてたんです。
「ギャーッ!!タコちゃん!!」って」
加藤浩次「食べた?その後は」
さかなクン「叔母が冷凍庫に入れてました」(笑)
母と水族館へ通い詰める
買ってもらった魚の下敷き…そこで出会ったウマヅラハギに夢中に
そこから、さらにタコに会うため、母と水族館へ通いつめる日々。
そこで運命の出会いが…
さかなクン
「母がですね、魚の下敷きを買ってくれたんです。
魚がこういっぱい並んでる下敷きだったんですね。
「え、ありがとう」って。そんなに、興味なかったんです、魚に。
でも見たら、「うわ~っ!なんだこれは!?」っていう顔が長いお魚の写真が。
「えっ!?何このお魚?」って。「こんな顔が長い魚いるんだ。うん。ウマヅラハギっていうんだ」って。
写真。もうこんな小っちゃい写真なんですけども。3.5㎝ぐらいの。
それで、もう授業中もウマヅラハギ見ちゃって。は~、見てみたいなって思ってたんです。
で、授業終わって「ただいま~」って帰ったら、母が「今日ね、カニが届いてるよ。毛ガニっていう」。「え!毛ガニ?」。
もうテーブルにあるその箱がそうで。で、テープビーッってはがして、開けたんです。
瞬間に、「びゃ~!」。
なんと、下敷きに写っていた3.5㎝ぐらいのウマヅラハギちゃんと同じぐらいのウマヅラちゃんが3匹。
たぶん、毛ガニを冷やすための氷に混ざってたのか…」
サバンナ高橋「たまたま入ってたんや」
さかなクン「はい。一番会いたかった存在に」
中学生時代
水槽があると誤解して入った吹奏楽部…でも楽器に夢中に
加藤浩次
「じゃあ、そこからどんどん広がったの?タコいって、ウマヅラハギいって。
そっから?中高はどうなってくの?」
さかなクン
「え~と。中学生の時は、魚が泳いでる水槽があると思って、吹奏楽部に勘違いして入りまして。(笑)
で、「ナニコレ?」。
友達が「野球部見に行こう」とか言うじゃないですか。「テニス部見に行こう」って。
で、吹奏楽部だと、「え~っ!水槽があんのかな?」って」
加藤浩次「そうか。音だけ聞いたからね。で、行ったの?」
さかなクン
「行きました。深草くんと秋山くんと3人で。
扉開いた瞬間、ドンドンプカプカ。
あれ~?どういうこと?と思ったら、すいそうって、吹いて奏でるってそういう意味なんだと。
だけれども。だけれどもですね。
吹奏楽部なんで、楽器も小っちゃなピッコロがピロピロピロって。大きなチューブがボンボンボン。
「うわ~面白い!」。
小っちゃなメダカちゃんからおっきなジンベイザメちゃんまでいるような世界っていう。
それは面白そうって」
以来、楽器に夢中になったさかなクン。今でもライブに参加するほどの腕前に。
加藤浩次「学者タイプなんだと思う。学者の方って、グワーッってハマってくじゃない。いや、そこがすごいと思う」
20歳 フランスのパリへ
目的は楽器&モナコ海洋博物館
〇二品目 フランスパリ KOBA
さかなクン
「ちょっと遠くてですね。フランスのパリ。おすし屋さんです。
20歳ぐらいの時、どうしても行きたくて」
加藤浩次「なんで?」
さかなクン「一つは、楽器ですね。パリでたくさん作られてんです」
加藤浩次「見たいと。本場の楽器をね」
さかなクン
「はい、そうなんです。
で、もう1つありまして。パリのすぐ近くにモナコ。
で、そのモナコのアクアリウム。モナコ海洋博物館っていう」
加藤浩次「すごいの?それ」
さかなクン
「そこはすごいんです。で、テレビでみまして。
「おおっ!ここは絶対行ってみたい」と。
で、行きました」
パリでおススメのおすし屋"KOBAさん”…タダで食べさせてくれた
加藤浩次
「パリに行った。で、パリのここのお寿司屋さんは飛び込みで行ったわけ?」
さかなクン「うまいすし屋があるんだよと教えてくれまして」
加藤浩次「パリの方たちが?」
さかなクン「そうです。そしたらそこに、あの~パリのKOBAさんっていう」
加藤浩次「っていうお店に行った?」
さかなクン「行きました」
加藤浩次「そしたら?」
さかなクン「そしたら、「ああ。お寿司食べてきな~」って。小柄なおじちゃんが。ラオス人の方なんです」
加藤浩次「ラオスの方なんだ?」
さかなクン「ラオスの方なんです。KOBAさんっていうおじさんで」
加藤浩次「ラオスの方が握ったお寿司はおいしかったの?」
さかなクン
「うまいんです!メチャクチャおいしくて。
で、あの~、「もう、どんどん食べてきな~」って。
「あ、君、さかなクンっていうんだね。そんなに魚が好きだったら、僕と一緒に市場行くといいよ」
「えっ!市場に連れて行ってくれるんですか!?」と。
で、パリの市場に連れてってくれまして。
もう、とれたての魚が並んでまして。
「こんなに並ぶんですね!」
「そうだよ~。ここの市場一番だよ。食べたいの言ってごらん。買ってあげるよ~」って。
「ええっ!KOBAさんいいんですか?」」
加藤浩次「あなたホントに人に恵まれてるね」
さかなクン
「いや~そうなんです。すっごい可愛がってくれまして。
いやもうホントに。
しまいには、もうお金払ってなかったような気がするんです。
気付くと、「お土産で持ってきなさい」って。
「ええっ!KOBAさん。自分お金そんなにないんです…」。
「いいよ!分かってるよ~」って。」
加藤浩次「タダ?全部?」
さかなクン「なんか…ごちそうしてくださった気がしますね」
加藤浩次「あなた基本的にはお金払わないでしょ?」
さかなクン
「違うんですよ!違うんですよ!
あの、ちゃんと絵を描いて。
絵を描いて恩返しをドンドンして行かなきゃと思って、絵をひたすらずっと描いて…」
加藤浩次
「さかなクンとして有名になってからは、「これ持ってきな」でしょ、みんな、お魚」
さかなクン
「そうなんです、そうなんですよ。
だから、こっちから、せがんでんじゃないんですよ。
あのもう気づくと、「食べな~」ってもう」
加藤浩次
「そうでしょ?だから漁師さんとこに行って、一緒にね、漁船乗って行っても、もらってくる。
お金払ってないでしょ?」
さかなクン
「いや、もう全然。もう心ですね。心、心。
だからその分、働きます。なんでももうできることは」
加藤浩次「あげたくなるもん」
さかなクン「ホントにもう、ありがたいしかない」
※フランスパリのすし屋“KOBA”の店内の壁には、さかなクンが描いた魚の絵が描いてあり、店内のメニュー表の表紙にはさかなクンが20歳の頃に描いた魚の絵が描かれている。
その他のおすすめのお店
三品目 豊洲市場 鮨文の穴子
加藤浩次「ここは昔から行ってるんですか?」
さかなクン
「はい。20年以上。
で、最初はですね、10代の頃にテレビチャンピオンに出させていただいた時に、そのテレビチャンピオンの問題に、“魚しりとり”っていうのがあったんです。
例えば、“ヒラメ→メダイ→イカナゴ→ゴマサバ→バショウカジキ→キアンコウ→ウマヅラハギ→ギギ→ギバチ”とこう魚でしりとりするんですね。
でも、専門家の方がいないと、ホントにその魚の名前が合ってるかどうか分かんないんですね。
で、その専門家の方が当時おさかな普及センター資料館っていう博物館のような施設があったんですね。
で、そこの山田先生っていう先生で。
「もっともっと魚のことを知りたいですか?」。
「ああ、もちろんです。もっと学びたいです!」
「だったらウチ(資料館)来な」と。
「ああ、ありがとうございます。勉強させてください」と。
それで通ったんです。はい。
それで通ってる時に、「あなたに会いたいっていう若社長っていうのがいる」と。」
加藤浩次「それがここ(鮨文)の若社長だったと」
さかなクン
「いや、違うんです。築地の仲卸さんの社長さんだったんです。
それで、「分かりました!行ってきます」と。
そしたら、すぎょい元気のいいお兄さんが「おおー!俺だ 俺だ!会いたかったんだよ!俺だ!」って。
「うわー随分元気のいいお兄さんだな」って思って。
で、「俺が全部築地ん中案内してやるよ!」って。で、全部。鮮魚の…」
加藤浩次「早くすしの話してくんねぇかな?」(笑)
さかなクン
「それである時ですね、オーストラリアから日本の市場を見たいって方々が来て。
で、オーストラリアの方々がどうしても日本のすしが食べたいと。
で、若社長、どこのすしがいいですか?って聞いたら、「俺が納めてる鮨文ってとこ行ってみな。間違えねぇからよ」って。」
※こちらの鮨文にも壁にさかなクンの魚の絵が描かれている
