【人生最高レストラン】宇宙飛行士 野口聡一さん(2025年8月9日放送)
スペースシャトル(米)、ソユーズ(露)、初の民間飛行船クルードラゴン(米)。
国も時代も超え、3種類の宇宙船に搭乗するという世界的な偉業を達成。
通算344日を宇宙で過ごした日本を代表するレジェンド。
その知られざる宇宙生活とは?
加藤浩次「今はJAXAのメンバーではない?」
野口聡一「もうJAXAは退職して」
※現在は国際社会経済研究所CTO・IHIアカデミー―長・立命館大学 学長特別補佐などで活躍
加藤浩次「だって野口さんね、なんでJAXAを早く退職なされたかっていうと。
こう若い方たちにそれを譲るためなんですよ」
野口聡一「まあ、そのこう宇宙に行く機会っていうのも限られていますんでね。
1人だけ何回も飛ぶとね、若い人に順番が回らないっていうのはやっぱりあるなぁと思って」
加藤浩次「かっこよくない?」
YOU「耳が痛いジジイがいっぱい」(笑)
加藤浩次「その通り!YOUさんその通り!(笑)」
島崎和歌子「で、地球って本当に青いんですか?」
野口聡一「青いですね。で、地球も青いんですけど。僕が最初に宇宙に行って、(地球の)まぶしさにびっくりしてですね」
島崎和歌子「まぶしいんですか?地球って」
加藤浩次「え、ちょっと待ってください。地球が発光してるわけじゃないじゃないですか」
野口聡一「太陽の光を…」
加藤浩次「そういうことですよね。浴びてるわけですよね」
野口聡一
「おっしゃる通り。地球ってあの水の惑星なので、結構雲が多いんすよ、実際には。
で、そうすっと曇って白だから、すごい反射するわけですよね。
だからあの意外なことに、真夏のビーチのまぶしさってあるじゃないですか。照り返す時の。
あれと同じ量が宇宙にいるのに雲からやってくるわけです」(笑)
3回宇宙へ
3種類のロケット…オススメは民間のクルードラゴン
加藤浩次
「だから、何がすごいってだから、3回(宇宙に)野口さん行かれてて。
3回とも違うロケットなんですよね。
最初はスペースシャトルですよね。
で、2回目がロシアのソユーズですよね。
で、3回目が民間のスペースXのクルードラゴン。3つ。
全然違いますか?」
野口聡一「全然違います、はい。」
加藤浩次「何が一番いいですか?」
野口聡一「おすすめはね、クルードラゴン」
加藤浩次「え!あ、スペースX?」
※クルードラゴン…イーロン・マスク率いるスペースX社の有人宇宙船
野口聡一「スペースX」
加藤浩次「え⁉イーロンマスク!?」
野口聡一「あの、おすすめします」
加藤浩次「え~~!!」
島崎和歌子「何が違うんですか?」
野口聡一
「座席がいいんですよ。あんまり宣伝するつもりないんだけど(笑)
座席の違いって大きいんですよ。
で、あのなんとなくスペースシャトルって、まあ言っちゃ悪いけど、パイプ椅子みたいな感じのこう簡易椅子なんですよ。
あのーあくまで宇宙に行くまでの8分間だけ使って、あとは全部そこ座席取っ払って、実験したり食事したりする空間にしちゃうんで。
で、クルードラゴンはビジネスクラスみたいな椅子で。
で、なおかつその宇宙服と椅子とカプセルを全部スペースX社が作ってるので、相性がいいんですよ。ピッタリ合ってるわけ。」
加藤浩次「うわ~なるほどね。椅子にちゃんと合う宇宙服になってるってことですね」
野口聡一「その通り」
加藤浩次「じゃあ最後のスペースXであれ?って。今までより全然いいなって」
野口聡一「もう断然いい。最初からこれがいいんじゃね?っていうぐらい」(笑)
宇宙での生活
宇宙での食事
〇1品目 世界初の宇宙食ラーメン
野口聡一
「これねたぶんね、番組史上最も高いと思う。
まず値段が高い。開発するのにメチャクチャお金がかかってる。
あとは食べた場所が高いっていう。
えー宇宙で食べた宇宙ラーメン」
加藤浩次「え、これ野口さん。美味くはないでしょ?」
野口聡一
「まず最初に言っとかないといけないのは、僕が宇宙飛行士になった頃は(1996年 宇宙飛行士候補者に選抜される)、宇宙ではラーメン禁止だったんです。
なぜかっていうと、まあ無重力ですよね。
無重力だとあのこうお椀でスープが入ってる状態ができないわけよ。全部浮いちゃうから。
で、そうすると、周りにこうスープが飛び散っちゃう時に、周りにコンピューターとか化学実験のサンプルとかある。
で、初めて宇宙に行く時(2005年日本人6人目の宇宙飛行士として初飛行)に、やっぱり普段食べてるものを宇宙に持ってきたいなっていうので、日清食品さんとね、共同でカップヌードルをね(開発して)」
加藤浩次「え、だって今の話だとスープ無理でしょ?だから、汁なし?油麺みたいな?」
野口聡一
「結論から言うと、あ、今ちょうどいま映像出てきましたけど。
(日清スペースカップヌードルの映像が映る。麺の上にあんがかかった1口サイズのあんかけラーメン)
言って見れば、ヌードルそのものが味が付いているような感じ。
感動しますよだから。このちっちゃなカップヌードルがフォークの先で再現されてるぐらい。
最終的にはこんなに味を増やしてもらって(醤油、シーフード、カレー、チキンラーメン、日清焼きそばUFO、ハヤシメシ、キーマカレーメシ)。
僕のこだわりはですね、最終的には(日清焼きそば)U.F.O.を持ってきた。
だから、これは男の子の夢ですよね、焼きそばは」
加藤浩次
「え、これって、宇宙に行く方は世界各国いるわけじゃないですか。
それ、それぞれ色んなところの国のこういった宇宙食を持ってくるんですか?」
野口聡一
「そうですね。今宇宙食って全部で300種類ぐらいあるって言われていて。
で、あの全員一緒のメニューが大半なんですけど。
それぞれの宇宙飛行士がスペシャルメニューでちょっとだけ持って行ける」
宇宙では配信サービスは全部観れ、Amazonも使える
加藤浩次
「なるほど。てことは、スタンダードな食事があって。
カップヌードルいよいよ食べたいぞっていうのは、どういう時なんですか?野口さんにとって」
野口聡一「例えば週末とかですよね」(笑)
YOU「え、曜日感覚みたいな」
加藤浩次「週の感覚あります?宇宙で」
野口聡一
「あ~あのね、加藤さん、大事なんですよ。
あのどうしても宇宙って単調なので。景色変わんないでしょ。で、一緒にいるメンバーも変わんないでしょ。
ずーっと同じ日が続くっていうのはスゴイ危険な状態。あの鬱になってきちゃうので。
だから、金曜日の夜になったら、1週間終わったね~って」
加藤浩次「あ、その感覚はあるんですね」
野口聡一
「メチャクチャあります。
金曜日なのでちょっと賑やかにやろうって言って。
金曜の夜はあのみんなで映画観たりするんですよ」
加藤浩次「映画?何を見てるんですか?」
野口聡一「宇宙であのスターウォーズものとか見たりして」(笑)
加藤浩次「いやいやいやいや」
野口聡一「宇宙ってかっこいいなと思いながら見てて(笑)」
加藤浩次「で、スターウォーズは4から観てくんですか?どうなんですか?」
野口聡一
「あ、えっとですね、最後が2020年から2021年にかけてだったんですけど。
「マンダロリアン」(伝説的SF映画『スターウォーズ』初めての実写ドラマ)っていう。
あれをだから毎週新作が地上で配信されるのとまったく同じタイミングで、我々宇宙でみてんですよ、だから。
ですからこれはインターネットが随分発達したので。
あのーいわゆる配信サービスは全部観れる」
YOU「え⁉Wi-Fi?」
野口聡一
「NASAが持ってる通信衛星を介して。
だから、ムチャクチャ高いはずなんだけど、我々はそれをこう見せていただいて」
YOU「だって宇宙でしょ?」
野口聡一
「宇宙です。だから、Amazonとか普通に使えるんですよ。
僕宇宙にいる時に、母の日のカーネーション2回送りました、宇宙から。全然大丈夫」
国際宇宙ステーションは意外と近い…宇宙では45分昼間、45分真夜中の繰り返し
加藤浩次
「そうですよねだから。不思議だなと思うんですよ、宇宙って。
地球があって。で、大気があって。で、ISS(国際宇宙ステーション)ってどのくらいの距離にあるの?って。
だから、400㎞ぐらいなのよね。地上から400㎞。ってことは、東京から大阪ぐらいの距離。だから、意外に近い所にいんのよ。
※ISS(国際宇宙ステーション)…上空約400㎞に浮かぶ人類の宇宙実験施設
で、あれ聞いたんですけど、ISSって地球が24時間で自転するじゃないですか。
1回の自転の16倍してんですよね?」
野口聡一「そうですね、はい。
ですから地上で1日経つ間に、我々は地球を16周する。
1時間半で地球1周しちゃうんですよ、だいたい」
加藤浩次「あれでしょ?だから。朝晩朝晩があのー16回くるってことですか?」
野口聡一「はい。だからあのー45分間真っ昼間で、45分間真夜中っていうのがひたすら続くんですよ」
加藤浩次「すごくない?45分が昼間。45分が夜って繰り返すの」
野口聡一「だから何が良いって、元旦。初日の出が16回見れる。(笑)1時間半たったらまた「おめでとうございます おめでとうございます」」
加藤浩次「面白い!」
宇宙飛行士を志したきっかけ
〇2品目 アメリカヒューストン「テキサス・ロードハウス」 アメリカンステーキ
野口聡一「NASA(アメリカ航空宇宙局)のもうお膝元ですね。
家族も行きますし、あの宇宙飛行士仲間でも結構行きました。
で、テキサス・ロードハウス絡みでいうと、(漫画)「宇宙兄弟」の原作者の小山宙哉さん。
あの実は連載始まる前にちゃんとあのヒューストンに研究にいらっしゃってんですよ。
で、僕とも会って、NASAもご案内して。
ご案内した日の夜に行ったのがテキサス・ロードハウス。
普通のサイズで480g。で、大きいのだと600g」
加藤浩次「え、当時行ってたのは訓練中ですか?」
野口聡一「そうですね。日本で宇宙飛行士試験通って2か月後かな。
すぐにNASAに送られたんですよ。NASAの宇宙飛行士養成コースに入るっていうことで。
そっからずーっとこう打ち上がるまで訓練してました」
加藤浩次「そもそも野口さんなんで宇宙飛行士になりたかったんですか?」
野口聡一「子どもの頃からのアニメとか映画とか。
ですから「宇宙戦艦ヤマト」とか「銀河鉄道999」とか。
職業としてってことは、やっぱ高校生の時、スペースシャトルの打ち上げをテレビでみて。
「あ、こういう仕事いいかも」と。
宇宙で大切な人間
全員帰って来るか全員死ぬかしかない
加藤浩次「で、宇宙でチームで滞在するじゃないですか。
そういうチームとして動く時に、やっぱその人間性って大事になってくるんですか?」
野口聡一「そうですね」
加藤浩次「それはどんな訓練するんですか?」
野口聡一
「えっとですね、チームを作るためのチームビルディングみたいな言い方しますけどもね。
合う人合わない人含めてチームを作って、実際にそういう場面に送り込んで。
例えばですね、僕がやったのは、洞窟訓練っていうのがあってですね。
地底に潜っていくんですよ、洞窟で。本当の洞窟です。
で、そこで2週間ぐらい暮らすんですよ」
加藤浩次「何人なんですか?」
野口聡一
「6人ぐらいだったかな。結局、外から日が差さないっていうのがすごい実はストレスで。
そういう時にコミュニケーションするだけじゃなくて、お互いのこう地雷を踏まないのには、どうすればいいかとか。ね。
で、洞窟もありますし、あとはちょっと似てますけど、海底基地ってのがあるんですよね。
フロリダ沖のこう海底に基地が沈めてあって。
そこでもやっぱり2週間ぐらいかな」
加藤浩次「で、それどれぐらいの広さですか?」
野口聡一「えっとですね。大型バス1台分ぐらいの大きさ」
加藤浩次「結構狭いな、うん」
野口聡一
「そうですね。それも6人だったですけどね。
で、ストレスがある、食料がなくなる。場合によってはその電気がね、容量が少なくなってくるみたいな。
1個1個なんか難しい状況になった時に、あのー「俺の電気取るな」みたいなね。そういう感じで人間性が出たときに、そこをどう乗り越えるか。
変に溜めない方がいいと。こう抑えてしまうと、どっかでこう大きくなって爆発してしまう」
加藤浩次「ちっちゃいうちに言っとけよと」
野口聡一
「ちっちゃいうちに、目の前にいるうち…。
だから、「お前、3週間前の昼に俺のラーメン食っただろ」みたいに言うよりは、今ラーメン取ったとこで「あ、それ俺の!」って言った方が断然良いわけです。
で、それもしかしたら「あ、ごめん」で済むかもしんないし」
加藤浩次「あ、だからそういうルールを作ってくんですか」
野口聡一「自分たちで自然にできてくんですね、はい」
加藤浩次「それメッチャ過酷じゃないですか?」
野口聡一
「過酷ですね。でもそれをしないと、宇宙に行って、宇宙でその「俺の酸素よこせ」みたいなことになると、ホントに全員が死んでしまうわけですよ。
「アイツ気に入らないから、外に出しちまえ」なんてして。それでも、全員が空気無くなる事ですよね。
だからあのまさに、同じボートにいる7人は、全員帰ってくるか、全員死ぬしかないわけで。
そういう時に生き延びるためには、細かいいさかいを越えていくことを身につけていかないと」
加藤浩次「あ、すごい経験してますね」
宇宙の危険
出発予定の1か月前、コロンビア号が爆発し7人死亡…家族と話し合った日々
〇3品目 家族と囲んだ最後の晩餐 和食コース料理 神奈川県茅ケ崎市 蔵元料理「天青」
加藤浩次「これはご家族で行かれるんですね?」
野口聡一
「そうですね。で、最初の宇宙に行く前に、最後に「これからいくぞ」っていう時にね、家族で集まって行ったの、ここのレストランだったんですけどね。」
加藤浩次「え、これだから、ちょっと聞いたんですけど。
野口さんが行かれる前って、あのスペースシャトルのコロンビア号が空中で爆発したっていうのがあったじゃないですか。
あの後だったんですよね?」
野口聡一「そうですね」
2003年 野口さんが初めて宇宙に行く事が決まり、打ち上げを1か月後に控えていた矢先。
スペースシャトルコロンビア号が空中分解し、7人の宇宙飛行士全員が亡くなる大惨事が起きたのです。
野口聡一
「で、私たちの打ち上げもまあ2年近くズレてるんですよね。
で、その間にまあ、あの当然私自身もショックでしたけども、家族、妻、あと子供も含めて、実際にこう人が死ぬ仕事なんだっていうのを。
あの、同期生ですからね。で、もっと言うと、自分の子どもの同級生の親が死んでるわけで。
で、それはやっぱり全然こう深刻度が違うわけで。
だからまあ、私が宇宙を目指して死ぬ分には、自分がやりたいことやってるからいいんですけど。
自分の親が死ぬっていうことを自分の子どもに経験させるのは、それはちょっと厳しいなと。
で、やっぱそういう意味で、ホントに今度宇宙に行く覚悟があるのか、宇宙に行く意味があるのか、あるいはその家族が認めてくれるのかというのはそのまあ2003年から2005年にかけての2年間っていうのはすごいこう揺れ動いた時間だったかなと思いますね。
で、あのー自分たちが…宇宙飛行士の7名がね、クルーで一緒に行く中で相談したのは、少なくとも僕たちがちゃんと家族に説明できて、家族が納得してくれるまでは(宇宙に)行かないよねと。
だから結構家族と一緒の訓練。家族が見に来てもらう。授業参観みたいな感じですけど。それがすごい増えましたね。
えー宇宙に行って、その自分たちのお父さん…父親は、こういう訓練をやって、何かあっても大丈夫なように準備してんだねとか。
宇宙に行くとこういうその将来の人類が活動の幅がこんなに広がってくんだよっていうのをこう話してるうちに、じゃあ応援しようかという風に変わっていった。
知らない恐怖が最も怖い」
加藤浩次
「じゃあ最終的に野口さんの家族は「うん。次宇宙にあなたの夢なんだからいってきて」ってことになったということですか?」
野口聡一
「そうですね。だから最終的には子どもたちも、『宇宙でそのお父さんが死んでしまうのは嫌だけども、怖いけれども、お父さんの夢を実現する事だし、応援したいと思う』っていう風にね、こうなんか作文にして書いて…」
加藤浩次「え~学校の?」
野口聡一「そうですね」
加藤浩次「え~何年生の時ですか?お子さんが」
野口聡一「えーと、それはですね。小学校のまだ低学年の頃ですよね、はい」
加藤浩次「そこの理解低学年でできるって、すごくないですか?」
野口聡一「そうですね~でもそこまで彼らも追い詰められてたってことですよね」
加藤浩次「その時に、行くぞっていう前に行ったお店ですか?」
野口聡一「そうですね、はい」
コロンビア号の悲劇から2年。再び宇宙への道が開かれた野口さんが最後の晩餐に選んだのは、家族との大事な思い出の店。
JR相模線「香川駅」より徒歩7分 蔵元料理「天青」
野口聡一
「で、あの、これ私の通ってた高校がすぐ隣なので。
高校時代自転車でここ毎日通ってたんですけど。
ただここに行く頃にはですね、自分たちの中では十分準備ができてる。
そういった意味では割とあのー最後の晩餐ではあるんですけども、割とハッピーな感じの。
「ああ、いってらっしゃい」みたいな「行ってくるね~みんな」みたいな感じで送り出してもらったのは覚えてますね。」
船外活動は死と隣り合わせ…命綱のワイヤーが切れたら?
加藤浩次「実際に危険な目に遭ったことはないですか?」
野口聡一
「危険ってホントに言えるのは船外活動だと思うんですけど。
宇宙服着て、宇宙空間の外に出て。
なんかあったら、こう何もない宇宙にこう吸い込まれてしまう。
死の世界と生の世界がホントにその宇宙服の生地1つで接していると。
で、一応命綱と言っているワイヤーはあるんですけど。
もうホントにホントに細いワイヤーが一応繋がっているだけで。
その異常事態っていうのは、まあ例えば宇宙ゴミみたいなのが酸素タンクにこうバーンとぶつかった時の勢いでワイヤーも切れるし、持ってた手を離さざるを得ないと」
YOU「もうなんか例えばじゃあ、もうワイヤーが切れました。もう巡り会えない?」
野口聡一
「で、ワイヤーが切れた時のために、実は背中のバックパックみたいなところに、1回だけ使えるガスジェットが付いてるんですよ。
だからそうすると、切れても、バーッと吹いて戻って来るっていう」
島崎和歌子「戻ってこれるんですか?」
野口聡一「一発勝負です」
加藤浩次
「例えば何かにバーンと当たったと。
ハプニングがあってこう宇宙空間で離してしまったら、グルグルずーっと回り続けるじゃないですか。止まらないですよね?宇宙空間ですから」
YOU「そうなの?」
加藤浩次
「はい。我々重力があるから、ゴロゴロゴロって止まるけど。ずーっと回りますよね?回り続ける。宇宙空間で回り続けたら、どこでバーンって発射して、宇宙ステーションに戻ればいいか分からないじゃないですか。」
野口聡一「えーっと。回ってる時に、まずは自分の回転を止めるっていうのが大事ですね。」
加藤浩次「どうやって止めれるんですか?」
野口聡一「それね、止めるための操作も習うんですよね。」
加藤浩次「なんで止めれるんですか?」
野口聡一「ガスジェットで。だから、回転を止めるのが最初です。おっしゃる通り。
自分の回転を止める。(宇宙ステーションを)見つける。
で、そこに向けて、3・2・1バーン」
加藤浩次「すっげー」
YOU「ちょっと待って。私もホントにもう真面目に聞いてるけど、(私たち)行かないよね?(笑)
いや私もちょっと今、「え!?こうなったらどうするの!?こうなったらどうするの!?」って真面目にすごい聞いてたけど。待って!行かない!と思って」(笑)
加藤浩次「ちょっと最後にお聞きしたいんですけど、国際宇宙ステーションにいらっしゃる時に、何が一番楽しかったですか?」
野口聡一「そうですね。地球の様子を写真に撮るのが好きだったんですね、はい。
(持参した写真を見せて)
1つは(冬の)東京の夜景。
2つ目はねオーロラと星空。天の川。これはすごいですよね。宇宙ならではの景色だと思います。
(最後は)自分のふるさと。富士山と茅ケ崎」
