加藤浩次「俳優・プロデュース・映画監督と色々もう今幅広くやられてるじゃないですか」
オダギリジョー
「はい。そうですね。ありがたいことに。
元々そういう作ることが好きだったので。
なんかようやくそういうことが許されるようになった…まあ、嬉しさはありますけど。
ただホントに大変なんすよ」
加藤浩次「作り手さんの大変さって、その演者レベルじゃないですよね。」
オダギリジョー
「まあ、俳優として使う脳とやっぱ全く違う脳が必要なので。疲れ方も半端ないですね」
加藤浩次「疲れてもでもやりたいですか?」
オダギリジョー「や…そんなやりたくはないっすね」(笑)
加藤浩次「マジっすか!?そこは絶対やりたいってとこでしょ」
オダギリジョー
「まあ、愚痴るのもよくないんですけど。
僕元々個人作業が好きなタイプなんすね。
でも現場ってそうはいかないじゃないですか。
映画になると、ホント60(人)、70(人)とかになってきて。
それがみんな質問してきたりするんですよ」
加藤浩次「そっか。監督だもんね、決定権はね」
オダギリジョー
「はい。天気が変わったりとか。時間もあるし。スケジュールが合わないとか。
やっぱ結局なんか色んなことを諦めていく作業になるんですよ、現場って」
加藤浩次「向いてないんですかね?」(笑)
オダギリジョー「いや、いやいや」
幼少期
母子家庭…朝から1日過ごした映画館
〇岡山県津山 オレンジバルーン(閉店) ピラフ
オダギリジョー
「僕、岡山県の津山市っていうところの出身なんですけど。
ウチ母子家庭だったんですね。
で、母も仕事をしていたり、忙しかったと思うので。
結構、家で食べるのも多かったけど、2人でパパッと食べに行くことも多くて。
でもなんか商店街の2階にあって。その2階からその下の商店街を通る人たちを見ながらなんか食べるのがすごく好きで。
なんか素朴な時間じゃないですか。
まあ、それは母親と一緒だったこともあるし。たぶん1人だったこともあるとは思うんですけど。
そのなんか風景とあの時間とあのお店の雰囲気とこの味がミックスされて。
もうホントになんだろう…死ぬまでにもう1回食べたいぐらい求めてるピラフなんですよね」
加藤浩次「え、じゃあ、小学校の時は1人のことが多かったですか?お母さんが働きに出てる時は」
オダギリジョー
「そういう時は意外とあの~…映画館に僕を置いて。
朝から預けられて、ずーっと1日映画を観て過ごすんすよ」
加藤浩次「昔って、出なければずっと観れた」
オダギリジョー「入れ替えもなかったですよね~」
カリフォルニアに留学
映画に関わる勉強をするため
加藤浩次「で、じゃあそれは自然に俳優さんになりたいっていう感じになってったんですか?それ観てて」
オダギリジョー
「なんか映画に関わる仕事をしたいなぁとは思いまして。
ホントに何も考えてないから。
映画監督っていうのが一番こう好き勝手やってんじゃないかって思って」
加藤浩次「夢叶ってんじゃないですか、今じゃあ」
オダギリジョー
「ああ、まあそうなんです。はい。
だからなんか漠然とハリウッドで勉強した方がいいみたいな気持ちになっちゃってて。
それでカリフォルニアに留学しましたね。」
加藤浩次「いつ?」
オダギリジョー「高校卒業して1年間準備した後に行きました」
アメリカ到着当日にトラブル…警察に捕まる!?
映画監督を目指し、高校卒業後、アメリカに留学したオダギリさん。
しかし、渡米直後にやらかしてしまいます‥‥渡米初日に逮捕!?
オダギリジョー
「いざアメリカに行くってなって。飛行機はとったんですよ。ただ、ホテルはとらなかったんすよ。バカだから。」
YOU「何とかなるみたいな?」
オダギリジョー
「そうなんですよ。あの、空港出たら、「JOE ODAGIRI」っていう(看板を持ってる)人がいるもんだと思ったんですよね」
加藤浩次「あ、学校側の人がね?うんうん。当然空港まで迎えに来るだろうと。職員かなんかが。うん」
オダギリジョー「誰もいないんですよ。その“JOE ODAGIRI”」(笑)
加藤浩次「それはそうだよね。そりゃあだって、ツアーで行ってるわけじゃないからね。うん」
オダギリジョー
「で、大学着いたら、今度人がいないんですよ。大学の中に。
それが日曜日だったんですよ。着いたのが。
で、僕はその当時ちょっとバカだったので、ヒッピーみたいな格好してたんですよ。
下駄はいて。なんか(ボトム)がラッパ…」
島崎和歌子「頑張っちゃったんですね」
オダギリジョー
「ちょっと気合い入れて多分いってるんすよ。(笑)初日だから。
で、ずーっとうろうろしてたんすよ。人もいないし。
そしたら、警察に捕まっちゃったんですよ(笑)
いきなり僕、パトカーの後ろにもういきなり乗せられて。
向こうのパトカーの後ろの座席って、犯罪者乗るから。
あの、もうシートすらないんですよ。鉄板なんですよ、もう。
なんですか。フェンスがあって」
加藤浩次「鉄格子みたいになってるやつね」
オダギリジョー
「真ん中にライフル銃がドーンとたってるんですよ。!?ャメチャ怖くないですか?」
YOU「でも泊まれるところが見つかったよね」(笑)
加藤浩次「それ刑務所じゃないですか」
オダギリジョー
「もう必死で説明して。あの、ここの大学の入学の許可は出てると。
で、あのただ、住むところはないとか。なんかそういうことを言ってったら。
大学の外国人窓口の受付みたいな人を呼んでくれたんですよ。
で、その人が「ウチに来なさい」って言ってくれて。
その彼の家に泊まっている間に、住民票を取ったり、寮に住めるように話に行ったり。
その生活の最低限を準備…一緒に周ってくれて。
それでようやく寮に入れるようになったんですよ。
で、自分の部屋に行って、ドアを開けたら、僕を捕まえた警察官がいたんですよ。
後から聞いたら、そいつも大学生で。同じ学校の。
なんか、土日のバイトで警察のバイトをしてるみたいな。
校内のパトロールみたいなのをやってて、偶然僕を捕まえたんです。(笑)
それがルームメイトになるんですよ」
学科の選択ミスで演技コースを選択してしまい…
そしてようやくキャンパスライフがスタート。
英語が未熟だったオダギリさんはとんでもないミスをしてしまう…学科を間違え、演技コースを専攻
オダギリジョー
「僕、1個目の授業に気づかずに行ってんすよ。役者のクラスに。
いきなり始まったのが、「ここは宇宙だから泳ぎなさい」って言われて。」
YOU「え~こわい~。エチュード」
加藤浩次「エチュードだよね。解放させるためのエチュードだよね」
オダギリジョー「90分泳ぐんすよ、みんな」(笑)
島崎和歌子「90分も!?」
YOU「ヤバい~」
加藤浩次「やっぱりすげぇな。やってることすげぇな」
オダギリジョー
「で、もう意味が僕分かんない。だましだまし、90分やるんですよ。
だから今考えると、役者にとって確かに必要な感覚的なものの再現をするための訓練なんだけど。
意味わかんないじゃないっすか。それも説明ないから。
で、だからもう3日目ぐらいから、もう行くのがイヤになっちゃって。
で、またなんかあの~映画館に逃げちゃったりとか」
加藤浩次「ああ。向こうの現地のね?うん」
オダギリジョー
「ちょっとしてると、黒子の授業っていうのがあって。
黒子っていうのがあの~舞台の黒子をあのスタッフとして参加するっていう」
加藤浩次「あ~。ホントの舞台の?」
オダギリジョー
「うん。で、その舞台は自分たち先輩の俳優コースの人たちが皆さんに披露する舞台なんですよね。
で、後輩の僕らはそれを黒子として用意したりとかはけたりとかをするのが、要は単位が取れるんですよ
で、それを毎日行ってたんですよ。
そしたら、お客さんが変わると、役者のテンションも全然違うし。
なんか気分も乗る日もあれば、メチャメチャそのお客さんが笑ったりすることで、すごい乗ってくることもあれば、全然乗らないウケない日もあったり。
そのすごいライブ感が「メチャメチャ面白いじゃんこれ」みたいに見えたんすよ。
なんか、役者やるのもいいかもなみたいになって。」
加藤浩次「ああ~そこで変わんのね」
オダギリジョー
「そうなんですよ。もうとりあえず日本に帰って、むしろ芝居のベースだけは勉強してまた戻ろううと思って。
だから日本にいったん帰ろうと思って休学にして。
だから、今も休学中なんすよ」(笑)
加藤浩次「戻ってねぇのかよ(笑)」
オダギリジョー「はい」
島崎和歌子「えっ!もどってないんですか?1回も?」
オダギリジョー「はい。帰るタイミングが無かったんですよ」
韓国で大炎上
お店で書いた「こうだくみ」というサインが原因で…
〇2品目 韓国プサンにあるクッパのお店 ハルメクッパ
それは韓国のスターチャン・ドンゴンと共演した映画「マイウェイ 12,000キロの真実」(2012年)が、2011年の釜山国際映画祭で記者会見を開くため、釜山を訪れた時の事。
オダギリジョー
「なぜこのお店を取り上げたかというと…謝らなきゃいけないことがありまして。
このお店に行ったのが、2011年ぐらいなんですけど。
お店の人に「サイン書いてほしい」って言われたんですよ。
韓国ってサインの横に本人の写真を貼る文化があるんすよ。
その形になってるんですよね、全部。
で、日本人の客が来たときに、僕の写真が貼ってあって、サインが全く違ったら、ちょっと面白いかなと思って。
“こうだくみ”ってひらがなで書いたんですよ」(笑)
加藤浩次「なにしてんの?」
オダギリジョー
「だから、面白いと思ったんでしょうね。
そしたら、それが大炎上してしまって。
全く違う“こうだくみ”って書い手ある事に対して、「日本語がわからないことをばかにしてるのか」って。
ちょうど僕そん時に、『マイウェイ』っていう韓国映画に出演してたんですけど。
ボイコット運動が起きたんですよ」
加藤浩次「ヤバッ!それヤバいね」
オダギリジョー
「僕としてはね。あのあくまで韓国人をバカにしたわけではなく、日本人のお客さんのためのファンサービスのボケ…小ボケだったので。
「なんで謝んなきゃいけねぇんだよ」みたいな感じだったんすよ。」
加藤浩次「なんなのそれ!それだめよ。絶対ダメよそれは!」
オダギリジョー
「で、『マイウェイ』の完成披露試写みたいな時に、大炎上の後に初めて公の場に立つみたいな。韓国の。公の場に立つってなって。
で、そこで、「謝りなさい」って言われたんですよ。」
加藤浩次「スタッフから?」
オダギリジョー「はい。韓国側の」
島崎和歌子「主催者側から?」
加藤浩次「謝ってくれと?」
オダギリジョー
「はい。もうこれは謝ってもらわないと、もう映画も被害を受けると。
まあ、おっしゃる通りだけど。ただ、自分には自分の信念があった」
加藤浩次「ねぇよ!そんなもん!小ボケに信念なんかねぇよ!」
オダギリジョー「いや、なんかやっぱり言えなくて」
加藤浩次「え、言わなかったの?」
オダギリジョー「言わなかったんすよ。」
加藤浩次「うん。で、舞台挨拶はやった?」
オダギリジョー
「で、挨拶終わって着席する時に。まあ普通こうやって(前かがみになりながら)座るじゃないですか。
この瞬間を写真に撮られたんすよ。
バシャバシャバシャバシャって。
で、次の日の一面に全部“オダギリジョー謝罪”になってたの」(笑)
加藤浩次「あ、でも良かったじゃない。結果良かったじゃん」
オダギリジョー「ホントは謝んなきゃいけないのは自分なんです」
加藤浩次「今だったら全部わかってんだよね?」
オダギリジョー
「分かってるんす。で、そのお店に個人的に謝りに行ったんすよ。
で、お店の人が「あのサインね、盗まれちゃったんです。お店のお客さんがなんか面白がって盗んでいったのか。もうなくなってしまって」って言われて。
だから僕、「じゃあもう一回書きますよ」と。
で、“こうだくみ Coming back again!! (2012.1.1)”って書いたんすよ」(笑)
加藤浩次「何やってんだよ!あなた何なの?あなた何をしたいの?」
俳優への向き合い方
〇3品目 新宿二丁目「モモタイ」 カオマンガイ
俳優だけでなく、監督・脚本でも大活躍。
監督業を通して俳優の仕事にも影響が…
加藤浩次「役者は続けられるんでしょ?ずーっと」
オダギリジョー
「あの~しょうもない作品に出てもしょうがないじゃないですか。(笑)
だから自分が興味を持てない作品。
なんか自分が興味持てない作品なのに参加するのも失礼だし。」
島崎和歌子
「え、でも逆にそのそういう風に思ってる作品でも、「自分が面白くしてやろう」っていうそういう役者魂みたいなのとかはないんですか?」
オダギリジョー
「自分の監督作品だったら、面白くしてやろうなんですけど。
なんか自分がえっと俳優として、そういう部分が確かにあったんですよ。
20代、30代とか生意気な…。生意気な結果になっちゃって、それが。
なんか自分がこの作品変えてやるみたいな。
なんかもう(台)本まで書き換えちゃったりしちゃって。」
加藤浩次「それはまあね」
島崎和歌子「そうか。嫌がられるか」
オダギリジョー「そうなんですよ。」
加藤浩次「今監督やってて、自分で脚本書いて。自分が指名した役者さんが本書き換えたらどう思います?」
オダギリジョー「いや、ブチギレますよ」(笑)
写真が苦手
どんな顔したらいいか分からない
加藤浩次「写真撮られるのが苦手って聞いたんですけど」
オダギリジョー「苦手ですね。」
加藤浩次「なんでよ?」
オダギリジョー
「いやなんか、どんな顔したらいいかが分かんないんですよ。
素の何もない顔をして人前に立つっていうのが、なんでこんなことしなきゃいけないんだろうって思って。」
加藤浩次
「(笑)ちょっと分かるよ。だからそしたら、収録中とかの笑ってる顔とかをとってくださいってことだよね?それだったらいいってことだよね?」
オダギリジョー「ああ、ああ。そうです そうです。カメラ目線がヤですね」
加藤浩次
「でもたまにね、街歩いてて、「あ、オダギリさん」とかって言われて。「一緒に写真撮ってください」つって。「ああ、いいですよ」つって。」
オダギリジョー「まず。一緒に写真撮ってくださいって言われないんですよ。なかなかそんな街で声かけられるっていうのもないんで」
加藤浩次「帽子かぶって分かんないようにしてるんでしょ?」
オダギリジョー
「まあ、それもあると思うんですけど。
たぶん気づいても、「あ、あのタイプの人は、放っとくべきタイプの人だ」みたいにたぶん気を使ってくれて。
全然気づいてないフリをしてくれたりしますね」
