【情熱大陸】木南晴夏 38歳の自画像(2024年7月28日放送) キーワードは自然体

絵画 俳優(女性)

俳優 木南晴夏さん 38歳
どこまでも自然体な人。

ドラマの撮影現場。

下を向けば涙がこぼれてしまう。
夫との離婚が成立した直後、無念を懸命にこらえていた。
自分を憐れんで泣くことも仕事。また別のシーンでは別の感情で涙を流す。

 

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スタッフ「最初に情熱大陸の話きたときって、どういう感想を持ちました?」

木南
「いやー。なんか何を撮るんだろうっていう不安な。
なんか何にも私全然面白くないからなあっていう。撮れ高の心配です。
何を撮る…何も面白くないんだけどみたいな」

 

 

面白い人間になりたい

(友人たちとの食事会)

スタッフ「木南さんが思う“いい役者”ってどんな感じですか?」

木南
「えー。何ですか、それ?難しい。
私が憧れる俳優像っていうのは、もう何にも喋んないで、何にもしなくてただ立ってるだけで、その人を見ていたいなって思う人が好き。自分は。

まあ、昔で言えば樹木希林さんもそうだし、同年代でいうと、蒼井優ちゃん満島ひかりちゃん安藤サクラちゃんこの三人はもう大好き人間として魅力がある

 

スタッフ「人間としての魅力を付けていきたい?」

木南「つけていきたい。面白い人間になりたい。面白いもん。その人たちって。

スタッフ「それがやっぱお芝居に出るんですかね?」

木南「出ると思います。結局は人間だから。」

 

芸能界のきっかけはオーディション

1985年大阪の生まれ。
宝塚に憧れた少女は、やがて芸能プロダクションのオーディションでグランプリに輝く。
※2001年第1回ホリプロNEW STAR AUDITION~21世紀のリカちゃんはあなた!!~

アイドルユニットとして出発するが、芽はでなかった。
※アイドルユニット「Licca」2002年~2003年に活動

 

芽が出なかったアイドル時代

木南
「なんか遊びと仕事の境界線がないというか。本当にひどいアイドルだったと思います。
あの歌詞もふりも覚えてないみたいな。
で、収録でなんか3人のうち誰かが間違えたら、「あ~ごめんなさい。もう1回お願いしま~す」みたいな。「あ、また間違えちゃった」みたいな。
ほんと大人のスタッフからしたらふざけんなって感じの。
今の若い子達のプロ意識みたいなのはすごいと思います。
ほんっとにそういうプロ意識みたいなのが、まるでない10代だったし」

 

【人生の転機】20世紀少年でヒロインの友人役に

デビュー5年。背水の陣で受けた映画『20世紀少年』のオーディション。

抜擢されたヒロインの友人役がターニングポイントになる。

原作漫画のキャラクターと瓜2つ。彼女の役作りは大きな評判を呼んだ。

 

木南
オーディションに受からなかったら、もう辞めようって決めてて
ま、才能ないから辞めないとなって思ってたけど。
ああなんか、やっぱりお芝居ってすごく楽しいかもみたいな。

で公開したら公開したで、その「小泉響子」という役を評価してもらえることがあって。

ああ、なんかヒロインじゃなくても、その横にいる人たちでもなんかこう注目してもらえるんだっていうのが、すごくありがたかったから。
そこからはそういうマインドも変わっていったというか。

ヒロインじゃなくてもいいんだみたいな。」

 

 

役者としての木南晴夏さん

決定的なイメージを持たれずに来たことが、かえって今のユニークな立ち位置につながっていた。
私の周りにもいそう。指示されているのは、視聴者と等身大の空気感だろうか?
力を抜いた自然体。そんな雰囲気が今という時代にフィットしている。

もちろん母になって変わったことはある。
育休の時期には忘れられてしまうかもと不安に駆られたこともあったそう。
けれど今、出演依頼は次から次。

 

吉田鋼太郎さんが見た木南さん

吉田鋼太郎さんは木南晴夏さんが出演した舞台を手掛けました。

 

吉田鋼太郎
「悲しい物語でも、それから大笑い、お腹を抱えて笑えるような物語でも、どっちでも木南はこう収納できるっていうか。
どっちにもすごいふり幅を持っていける。
明日の中盤には全て応えてくれますし、それを3倍にも4倍にもして返してくれるし。
木南が思う存分暴れ散らかせるような、うん。
そういう作品にぜひ出会って、もう世間をあっと驚かせてほしいっていうなんか望みというか、木南に対する要望はありますね。」

 

台本は家では読まない

去年秋。引く手あまたの売れっ子は、映画(「おいハンサム!!」)の撮影に臨んでいました。
仕事は絶好調なのに、恋愛にツキが無いというコミカルな役どころ。
監督は、闇金ウシジマくんなどでも評価の高く、ドラマでも付き合いがある山口雅俊監督。

スタッフ「台本って普段どういう時に覚えるんですか?」

木南
「私は現場ですね。現場か移動中か。基本家では読まない
覚えはいい方かなとは思います。
なんか(手で)こうやって、こうやって。
こうやって(先の文章を手で隠しながら)覚えます。
テストみたいな。こうやって覚えます」

 

監督の細かい演技へのリクエスト。
求められるニュアンスをひたすら試す柔軟さも活躍の場が広がる1つかもしれません。

 

木南
ザ・コメディーみたいなのは、監督が持ってる正解がたぶん一番面白いと思うから。
自分で正解を見つけるとかはまったくないです。もう監督の言いなり。
どれだけこう監督がもっている正解に近づけるかっていう事だけですね。」

 

芸能界に入って23年。家との往復には自転車を使うこともある。

 

TBSドラマの収録

別の日は3人姉妹の人間模様を描く連続ドラマの収録(TBS系ドラマ『9ボーダー』)。

39歳の長女役は実年齢とほとんど同じだった。

 

昼食はスタジオの食堂でとることが多い(この日はTBS緑山スタジオ食堂)。

ちなみにこの時は、生姜焼き定食にしそのり納豆。

木南「緑山のご飯はどんな感じかというと、これで660円になります。
安いんですよ。食堂だから。安いです。」

松下洸平「撮られてるね」

木南「ねえ、終わりました?」

松下「なんかぬるっと。俺(情熱大陸の撮影)終わった?俺まだ終わってない?」

木南「終わってないって」

松下「終わってないか」

木南「じゃあ、一緒に撮っといたら?今日撮っといてもらって、使えたら松下さんで回してもらって」

松下「まあ、でも終わらせるって手もあるけど」(笑)

木南「まだ終わってなかった松下さんも」

松下「まだ終わってないのか」

 

39歳。3姉妹の長女を演じるドラマの収録も終盤。
ヒロインでなくても光ることはできる。
自分を変えた体験が今の忙しさにつながっている。

木南は最後の撮影シーンを迎えた。

ドラマ撮影スタッフ「ただ今の撮影を持ちまして、木南晴夏さんオールアップになります」

(感動して泣く出演者。抱き合う3姉妹)

木南
「本当に(川口)春奈のおかげでみんなが明るくなれたし、楽しい現場になったと思います。
そして芽生ちゃんに末っ子の人懐っこさに助けられて、3姉妹っていう関係が芽生ちゃんのおかげでできたと思います。
であとちょっと。体調を気を付けて、最後まで駆け抜けてください。お先です。すみません。ありがとうございました」

 

子育て

夫は俳優玉木宏さん。木南さんは1児の母でもあります。

(車内で)

木南
「子供とかに会えないと、なんか私的にはハ~ッとかなっちゃって。
会いたいなとか一緒に遊びたいなみたいな。
で、まあ向こうも、子供もそう思ってくれてると思うので。
寂しい思いをちょっとさせてるかなっては思うので。

でも早く帰れると、寝る前にちょっと顔を見れるだけでもチャージできるんで。
今日押してるんですよね(笑)。
本当だったら寝る前に帰れたんじゃないかなと思ったんだけど、押してるから寝ちゃうかもしれないですね。寂しいです。

うーん。今ちっちゃいから、今しかなんだろう。
こう、「ママ、ママ」って寄り添ってくれないかもしれないし。
何かもっと一緒にいてあげたいなあと思うけど。
でもやっぱり役者も、今しかできない役たくさんあるし。
なんか本当に体が足りないって感じです」

 

(レストランで)

20年来の友人たちと定期的に会食を楽しんでいる。
子供の世話を家族に託し、仕事も忘れるひととき。
でもやはり、話題はわが子との日常へ。

木南
「最近さ。子供のブームが、「ミニーちゃんで話して。ミッキーで話して。グーフィーで話して」ってディズニーのリクエストがすごい。
(木南)「はい、ミッキーだよ」(子供)「次ミニー」みたいな。
全部それでやる。めっちゃ遊ばれてるのよ」

 

絵を描くことが好き 具象から抽象画まで多彩な技法

絵を描くことが好きと聞き、これまでの秀作を見せてもらった。

木南
「こうやって並べてみるの新鮮。いつも家の机の上に雑多に置かれてるから」

 

具象もあれば抽象もある。何より技法の多彩さに驚かされた。

 

木南
「すっごい細かくても、写実派みたいなのもそれはそれですごい楽しかったんですけど、キュビズム(幾何学的な画面構成)は正解がないからそれはそれですごい楽しかったな。
点描はもう一生やりたくないと思う。もう永遠に終わらなくて。」

 

絵が作者の内面を映す鏡だとすれば、彼女は自分自身をどう見ているのだろう?

 

スタッフ「木南さんの自画像を描いてほしいなと。撮影の最終日に見せてほしいなと」

 

木南
「えー、自画像描いたことないです。頑張ります。人の顔描くのすごい苦手。
キュビズムになるかもしんない(笑)キュビズム自画像。それもありですよね。」

 

私たちとの約束を木南は律儀に守ってくれた。

彼女が描く自画像が出来上がった。

 

木南
「初めて私が描きました。自画像です。こんな感じです。じゃん。どうでしょう?ふふふ。な
んか自分で笑顔とか描くのも嫌だったから。すごいシンプルに真顔にしてみました。
なんかでも後からみてみると、なんかここ直せばよかったみたいなのがそんなにないっていうか。
割と初めて描いた肖像画にしては、結構自分の好きな感じに描けたなと思います」

 

私は何者か?

家事の後夕日が当たる私の顔。

 

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