池松壮亮(いけまつ そうすけ)さん
2003年
13歳の時、ハリウッドの超大作 映画『ラスト サムライ』でスクリーンデビュー。
以降、彼へのオファーは途切れることなく、数々の話題作に重要な役どころで出演。
日本アカデミー賞をはじめとする数多の賞を受賞。
事務所から独立
鶴瓶「まあ、独立いう形かな?」
池松壮亮「そうですね。もう1年ぐらい経ちました。ほとんど1人で」
鶴瓶「スタイリストもなしにね?」
池松壮亮「スタイリストはそうですね。いつもあのーだいたい私服です」
鶴瓶「喋るトーンもまたええやんか」
藤ヶ谷太輔「でもこうなると散々聞かれたと思いますけど、テンション上がることあるんですか?」
池松壮亮
「ありますよ、それは。あります、あります。
今日はまだちょっと最初緊張してるんで、たぶんこんな感じです(笑)。
前回8年前くらいかな(2016年出演)」
子供の頃の夢は、野球選手…「野球カードを買ってあげる」と言われオーディションへ
鶴瓶
「元々はでも…まあ、子供の頃は色んな夢があったけど、野球選手になりたかったんやろ?」
池松壮亮「そうですね」
鶴瓶
「野球少年やったんや。そうやったんや。
せやけど、お姉さんがバレエやってはって。
で、お姉さんがやっぱりまあそういうことやってはったから。
で、お母さんが、お母さんよう喋りはる人でな?
あのー、(オーディション)受けへんか?言うてやな。
でも、「嫌や。絶対嫌や」って。そんな男がなんか演じるとか、そんなん絶対嫌やって。
それが、「野球カード買うたる。300円の買うたる」いうて。
それで、そんなら受けてみるわって受けたら通ってもうたんや。
(画面に当時買ってもらった野球カードが映る)
それがあれやんか」
(池松壮亮さんのご両親が鶴瓶さんと話してる写真が映る)
池松壮亮「うそ~…え~…マジか~すみませんなんか」
鶴瓶「お父さんカッコええ人やで。お母さんも可愛らしい人やけど」
池松壮亮
「え?東京ですか?そうだったんだ~。なんかこの間会ったんですよ母に。
だから、(東京に)来てて。ひょっとしてとは思ってたんですけどね」(笑)
鶴瓶「…何で会うねん!(笑)会うたらアカンいうてたのに会いおったんや」
池松壮亮「へ~出たんだ。すみません。ありがとうございます。」
高校生の時は大モテ
高校時代の同級生倫太郎さんに取材
鶴瓶
「5年位会うてないねんな?めちゃめちゃオモロイヤツやな、これ。
これもカッコええ男よ、なかなか。
嫌がるだろうけども、学校(高校)の時に、めっちゃモテて。
文化祭かなんかの時に、なんかそっちに並びすぎて、食堂に誰も来なかった言うてたんや。
ほんまにそうやねんて。」
池松壮亮
「そんなそんな。藤ヶ谷さんの前でモテてるなんて。
男子校なんですよ。男子校で、周りに4つぐらい女子校が並んでるんですよね。
だから、みんな来るんですよ」
藤ヶ谷太輔「へ~。その時ってでも、まだ要は芸能に興味…」
池松壮亮「その頃ね、もうやってたんですよ。結構早かったんで」
鶴瓶
「だから倫太郎が初めて認めたのは、その長澤まさみさんとカルピスかなんかのCM出たときに(2007年)、すごいヤツやなコイツは言うて。
覚えてるかどうかは知らんけど、もう倫太郎が「長澤さんってどんな匂いすんの?」って」
池松壮亮
「なんかもうほんと(倫太郎は)優しくて。
結構やっぱ男子校だし、田舎の学校なので。
こういう仕事してるとやっぱどういう世界か分からないんですね。僕もあんま話さないし。
あんまっていうかほとんど話さないし。
なんかそれを倫太郎が全部守ってくれてたんですよ。そうなんです。
だからその、文化祭とかも、あの今壮亮にすごい寄って来てるから、壮亮を守ろうって言ってなんか警備みたいになってました。
ホント優しくてなんか。気ぃ使いで」
藤ヶ谷太輔「5年会ってないと、やっぱ会いたいですよね?」
池松壮亮「会いたいですね。いつもなんかよぎるんですけど、なかなか」
鶴瓶
「(倫太郎さんに)今度何したいねん言うたら、まあ福岡で会うてやね、なんや言ううどん屋いって、その後は風呂屋いくねんて」
初めてのオーディション『ライオンキング』でシンバ役に合格
鶴瓶
「でもこの頃から、もう芸能界いってたんやけど、行きたい!やろう!って思ったとこはどこなの?」
池松壮亮
「なんかやっぱり、ぼんやりしてたんですよ。
もうあの、物心はついてましたけど。
なんかやっぱその「それをやりたい!」と思って始まらなかったので。
12歳…11歳の頃に、そのたまたま受けたオーディションで受かって
(2001年舞台「ライオンキング」ヤングシンバ役でデビュー)」
藤ヶ谷太輔
「え、ちなみにさっきの要はプロ野球カードを買ってもらったのはいくつぐらいですか?」
池松壮亮
「この時です(「ライオンキング」のオーディションの時)。10歳、11歳の時です。」
藤ヶ谷太輔「じゃあもう、すぐ、買ってもらって、通って、ライオンキングってことですか?」
池松壮亮「そうなんです」
藤ヶ谷太輔
「へ~。でもこれって、11歳でライオンキングやってる時は、なんかこうでも漠然と、よく分かんないけど楽しい!って感じなんですか?」
池松壮亮
「うーん…なんかね。あんまりこう楽しいって前のめりではなかったんですよね。
やれば楽しいんだけど、なんか他はもう鍛えられた子役の子たちばっかりで。
福岡って割と子役が盛んだったので。当時から。
「何で自分はここにいるんだろうな。野球の方がやりたいな」ってまだ思っていて。
映画『ラストサムライ』に出演(2003年)
池松壮亮
「で、この2年間やったんですね。ライオンキング。
で、この期間に初めての映画を経験するんですよ。
それが『ラスト サムライ』っていう映画で(2003年)」
鶴瓶「トム・クルーズやんか。トム・クルーズって優しいやろ?」
池松壮亮「優しいです、とても」
(トム・クルーズと2人で写る写真が映る)
池松壮亮「「うわーすごい。こんな写真が残ってる。いや、やっぱここでなんか1個…」
(トム・クルーズと渡辺謙と一緒に3人で写る写真が映る)
藤ヶ谷太輔「そっか。もうここで超一流のまあ映画と出会うっていうか」
池松壮亮
「やっぱなんか大人がキラキラしてたり、色んな国の人が混ざってやってるこの映画の現場に、なんか今思えば魅せられた記憶はありますね。
そっからだんだんだんだん、「やっぱりそうだよな。ああいうのをやるんだろうな」って福岡にいながら、考えていて。
高校卒業してからこっちに出てきたんですけど、そのタイミングでやっぱもう「はい、やります」っていう感じ」
鶴瓶
「この環境でそんなん思わなかったら、よっぽど薄いで。もう気持ちが。
せやで。渡辺謙、真田広之やで。
真田広之もこの間すごいもん(賞)取ったからね」
池松壮亮
「でももうこの頃(ラストサムライの頃)は、あの(渡辺)謙さんも真田(広之)さんも見たことある程度だったので。
映画も全然見てきてないし、テレビもあんまり…あのついてない家だったので。
トム・クルーズも知らなかったですし」
鶴瓶「トム・クルーズを知らなかった?」
池松壮亮「知らなかったです」
鶴瓶「ほんだら、お父さん・お母さんびっくりしたやろな?」
池松壮亮「びっくりしてました」
父親は大きな会社を経営
鶴瓶「ここの家では、朝ジャズがかかってんねんて」
池松壮亮「父親がやっぱすごい好きで」
鶴瓶
「父親がまたおしゃれな人でね。父親はね、大きな会社してはんのよ。
だから言うた途中で。
「継ごうかな~」って冗談的に言うてたって言うてたよ。
池松壮亮
「そうですね。継いで欲しかった…1代目で。あの、建築系なんですけども」
鶴瓶「すごいおっきな会社やねん」
池松壮亮
「うん。ホントはね、僕長男なんで、継いで欲しかったと思うんですけどね。
でもやっぱりその、父と母は色んな経験をさせたくてたまたまそのライオンキングに送り込んで、こういうことになって」
鶴瓶「えらいことになってもうたんやな?」
池松壮亮
「そういう何かね~やっぱほんとは…言ってこないですよ。
絶対言ってこないですけど、ホントはなんか継いで欲しかったのかなぁとかって」
鶴瓶「いやたぶん、そうやと思うけども、もう言われへんからね。こないなってんねんから。」
友人&監督が語る素顔
学生時代の友人「めっちゃオモロイ陽気なやつ」
鶴瓶
「で、倫太郎も言うてたけど、今ねすごい池松のトーンや。しゃべり方が。
「あんなんじゃない」と。「アイツはあんなんじゃない」言うて。
「あいつはもっとギャーっとなって、メッチャオモロイね、陽気なやつなんや」と。
何遍もオレに言うんですよ」
藤ヶ谷太輔
「それで言うとね、僕も言われました。
「テレビに出てる姿は、あれはアイツの偽りの姿だ」と」
俳優仲間「他人が使った歯ブラシを使う」
俳優 広瀬斗史輝さんの証言(映画『DIVE』(2008年) で共演(17歳の時))
藤ヶ谷太輔
「1個取材で言われたんですけど、17年前、あの俺の歯ブラシ使ったの覚えてる?って。池松君が。
広瀬君の歯ブラシを池松君が使った。(鶴瓶「いやっ!」)
その、なんか家なのかその撮影現場でホテルなのか。
「ちょっと歯ブラシ借りるわ」って言って」
池松壮亮
「いや、本当に申し訳ないけど、今でもたぶん全然できますね。
(友人の)斗史輝とか倫太郎とか。あの、全然できますし。
そんな17年前だけの話じゃないと思います。
例えば、斗史輝が泊まりに来て、新しい歯ブラシ貸してあげて、そのまま使ってたりします。」
鶴瓶「えーーーー!」
池松壮亮
「ヤバいですかね?これ。ダメ?兄弟みたいな感覚なので。全然なんともないです。」
映画監督「お腹を触らせない成犬なイメージ」
藤ヶ谷太輔「僕ね、石井監督にも取材に行ったんです」
※映画『本心』石井裕也監督
池松壮亮「うわ~ありがとうございます。」
藤ヶ谷太輔
「石井監督は、「まあ、アイツはお腹を触らせない成犬なイメージがあると。
でもやっぱ人気商売だから、なんかそろそろこうキャリア的にも年齢的にも、なんか触らせるほうがいいんじゃないかみたいな。おっしゃってた」
池松壮亮
「へ~そんなこと言ってたんだ。
まあ確かにあのーさっきの話じゃないですけど、やっぱ慣れるまでに距離がどうしてもできてしまうので。
なんかこう、秘めたいわけではないんですよ。別にこう。
でもわざわざ自分から言うことじゃないことがやっぱ多いというか」
藤ヶ谷太輔
「わかります。すごい分かります。
で、石井さんがおっしゃってたのは、たぶん池松くんと藤ヶ谷くんはちょっとタイプが似てんじゃないか。
で、もうべーさん(鶴瓶さん)は、もうとにかく自分から腹を出してく。で、触らせに行くと。
で、それで言うとって。
あのー要は池松君が仲良い仲野太賀くん。太賀はそれが上手いと。なんか愛され力というか。
結局人間は、そのまあ愛おしさというか…っていうところは、ダメなところを見せられるかどうかだっていう。
だからそれを、そろそろ出してもいいんじゃないかっていうのと。
プラスおっしゃってたのが、今まあこうしてご自身で出る番組を選ばれたりしてるから、もしかしたらこのA-studio+に出て、ちょっとこう扉を開いてほしいんじゃないのかな…」
鶴瓶「だいぶ開いたやんか。(他人の)歯ブラシガガガ(って使う)」
池松壮亮「ほんとですよね。言わなきゃよかったと思って(笑)」
藤ヶ谷太輔
「そう。だからでも、それを取材で聞いてたんで。
あ、きっとやっぱり近しい人の時にはもう開いてるし」
鶴瓶「そうやねん。だから倫太郎がずっと言うてたもん」
藤ヶ谷太輔
「そう。でも石井さんとも何作もやってるじゃないですか?
だからずっと彼を見てると、今はなんか変わりたい時なんじゃないかなぁとはおっしゃってて。
そういう気持ちってあるんですか?」
池松壮亮
「変わりたい…なんかやっぱその、30代入って。
そのちょうど1年前くらいに独立したんですね。
あのー13年お世話になった事務所から独立したんですけど。
やっぱその辺が一番変化の時だったかなぁと。
なんかこう、30代どうしようかとか、これからどうして行こうかって一番考えてた時に、ふとそういう決断になったりだとか。
やっぱありましたね、去年は」
鶴瓶「でも大変やと思う、ほんとに」
池松壮亮
「どうしても制約が出るというか。
もう1人しかいないし、できないこともいっぱいあるし。
何かそういう意味では、ほんとに自分が出来る範囲の人付き合いをちゃんとしなきゃいけないようになったのが、なんかすごくいい気がしていて。
だからそれがやっぱりその間に人がいない事で、人と話す事で、そこでのお話がやっぱちゃんと作品になっていくし」
鶴瓶
「今回の(映画)がそうやんか(映画『本心』2024年11月公開)。
今回のはそういうことやって。
いやだから、相対的にこの世界に好きで入ったんやから。
野球のことはもう別に?」
池松壮亮「もうもう。諦めましたよ。そりゃ、そうか。うん(笑)」
思い出のアルバム写真
(2002年福岡ドームにて当時小学6年生の池松壮亮さんがライオンキングの格好をして、始球式でボールを投げる写真が映る)
(マイケルジャクソンに頭をなでられている幼少期の池松壮亮さんの写真)
池松壮亮
「すごい!すごいこの写真。残ってたんだ。
なんかね、福岡に(マイケルジャクソンが)来たときに、なんか頭触られたっていうことだけ聞いたんですよ。僕全然記憶にないんですけど」
(父親と兄弟4人で写ってる写真)
池松壮亮「4人兄弟なんですけど」
鶴瓶「これお父さんやね。見てみ?カッコええやろ、お父さん」
池松壮亮「やっぱなかなか会えないんでね」
鶴瓶「自分が思うてる時に会っとかないと、どんどんあえんようになるよ」