司会 中居正広&ムロツヨシ
ゲスト 俳優・西島秀俊さん&三谷幸喜さん
中居正広「三谷さんはやっぱりスリーピースですよね」
三谷幸喜「そうです。最近あの…どういうこと?」
中居正広「スリーピースが多いなと思って」
三谷幸喜「そんな気になりますか?僕のスリーピースが」
中居正広「いや、ずっとスリーピースだなと思ってたんですよ。」
三谷幸喜「映画の現場でも僕はいつもネクタイをしてちゃんといますよ」
中居正広「現場、スーツですか?」
三谷幸喜
「形から入るタイプなので。
で、割と日本の映画監督さんって何か多いじゃないですか。
とっくりのね、セーター。黒いセーター。
そういうのじゃなくて。僕はもっと昔の…例えばヒッチコックとか。
ネクタイ…あと日本でいったら川島雄三さんとかね」
西島秀俊「すごいカッコイイですもんね」
三谷幸喜
「それに憧れたんで。でも、今回は平気だったんだけど。
前回の映画を撮った時に、あのー真夏で、ゴルフ場のシーンがあったんですよ。
で、そん時もどうしようかなと思って。
で、スタッフの方はみんな「三谷さん、危ないから。もうTシャツがいいです」。
そしたら、前の日に小池栄子さんが出てらしたんだけど。
小池さんが僕んとこ来て「三谷さん、明日もスーツですか?カッコいいっす」って去ってったんですよ。
もうスーツで行くしかない。」
中居正広「あの子が悪いです」
三谷幸喜「でしょ?で、熱中症になっちゃったんです。その日」
中居正広「思うつぼではないですか、それ(笑)」
ムロツヨシさんとの関係
路上で突然声をかけられ…
ムロ「いや~僕は緊張しちゃってて。こんな真正面でお話することは…」
三谷幸喜「あ、あれ以来ですよね?」
ムロ「はい。街中で」
三谷幸喜
「街中っていうかね。
井の頭通り沿いを僕が散歩してたら、突然怪しい車がワーッて停まって。
そっから出てこられて。
なんかゲリラか何かが来たかと思って。」
中居正広「テロなのかなって」
三谷幸喜「うん」
ムロ
「止めて。「すみません、三谷さん。来月舞台やるんで観に来てください」つって舞台のチラシを」
三谷幸喜「全然面識もない…」
ムロ
「そうですね。面識は…そうです。そうそう。なかったんです。
そんななかったんですけど、遠くから見てたんですが」
三谷幸喜「だからそのチラシもらって。あんまり怖いから捨てちゃいましたよ」(スタジオ(笑))
ムロ「せめて…せめて見てくれたっていいじゃないですか!」
三谷幸喜
「怖いもん。だって怖かったんだもん、何か。知らない人が。
知らない人から何かもらっちゃ駄目だって言うじゃない」(笑)
中居正広「それでお会いしたことある」
ムロ
「そう、それでご挨拶してチラシを渡したら、ちょっと覚えてらっしゃってくれてるかなと思ったんですけど。
すいません、ゲリラ的なやり方で」
三谷幸喜
「いや、びっくりしましたよ」
中居正広さんとの関係
10年前に萩本欽一さんと3人で対談…欽ちゃんのハガキ職人をやっていた過去
三谷幸喜「中居さんとお会いするのって、いつ以来ですかね?」
中居正広「僕とはいつですか?」
三谷幸喜
「僕ね、あの~10年ぐらい前かな。
あのー中居さんと萩本欽一さん…欽ちゃんとなんか3人で対談をさせていただいたんですけども。
ホントあんとき何か話がかみ合わなかったじゃないですか」
中居正広「そうですね。欽ちゃんの…大将のハガキ職人をやってたっていう」
三谷幸喜
「そうそう。ハガキ職人を最初やってたんです。
ハガキ職人っていうか、ハガキ職人が書いたハガキを選ぶスタッフをやってたんです、昔。
だからもうすごい僕も緊張して。
で、萩本さんも何か緊張されてたんです、あの時」
中居正広
「そうです。何かちょっと三谷さんも、そん時の三谷さんとあの若い時の三谷さんと今の三谷さんと、ちょっと見え方が違ったりして」
三谷幸喜
「で、萩本さんが何か僕の芝居を見てくださって。
すごい気に入って、サインが欲しいってなって。
香取(慎吾)さん…香取さんの話していい…の?」
中居「(イヤホンで誰かに確認する様子をして)あ、今大丈夫です」
三谷幸喜
「香取(慎吾)さん経由でその僕にサインが欲しいっていう話が来て。
で、僕欽ちゃんにサインを書いたんですよ。
だから、それぐらい萩本さんなんかすごく僕のこと、何かこう買ってくださって」
中居正広
「そう。だからこんな監督として脚本家としてってなったから。欽ちゃんもちょっと遠慮して…」
三谷幸喜「何かすごいそんな空気感でね?」
中居正広「うんうんうん。ありましたね」
体調を崩していた中居正広さんの挨拶に驚く…お、お化け!?
三谷幸喜「と思ってたら、そのあと1回お会いしてるんですよ、僕。プライベートというか」
中居正広「プライベートはないですよ」
三谷幸喜
「いやいや。忘れてらっしゃるかもしれないんだけど。
その、僕が土曜日の情報番組に出る。生放送なんですけど。
その直前に控室にいたら、突然いらっしゃって。
で、僕は何かメークとかしてたのかな。
してもらってたら、突然ここにいらっしゃってね。
「どうも」って言って。で、その時にちょっとあのお体を悪くされてた…」
中居正広「後ですね」
三谷幸喜「ころかな?ものすごい、最初分かんなかったんですよ」
中居正広「ちょっと痩せちゃってたからね。はい」
三谷幸喜「何かびっくりして。これは…何?お別れに来たの?」(スタジオ爆笑)
西島秀俊「何てこと言うんですか」
中居正広
「失礼だな~!あのとき「えっ⁉」って思ったのは、「え⁉お化け出た!」と思ったんですか?俺の事」
三谷幸喜「そう。だから、もうすぐ死んじゃうかすでに死んでるかどっちか…」
中居正広「ちがうちがう。危ねえ。危ない。失礼な話」
三谷幸喜
「びっくりしたっていうか。
でもそんなにあの…枕元に立つほどの交流がないじゃないですか。
なぜ僕んとこに現れたんだ⁉(笑)ほんとに」
中居正広
「まあ『金スマ』の収録と土曜日(三谷さんと)いつも一緒で。
でもまあ、SMAPとやってたじゃないですか。
まあちょっとお話ももちろんしたことがあったんで。
あ、三谷さんいるんだと思って声かけたっていう」
三谷幸喜
「いや、嬉しかったです。
嬉しかったですけど、ちょっとびっくりしました。それ以来です」
中居
「それ以来…あ、そうだ。謝んなきゃいけない。
あの、『古畑』のあの黒塗りの件、何かすいません。」(笑)
三谷幸喜「その話をするの⁉」
中居「何で僕が謝んなきゃいけないんですか?」
三谷幸喜「そうそう。僕は謝んないですよ、僕は」
中居「僕だって謝んないっすよ。俺関係ないじゃないですか!」(笑)
三谷幸喜「その話をする…」
中居「された方だよ!」
三谷幸喜「うーん、どんな感じですればいいのかな?その話」(中居(笑))
三谷作品に初出演した西島さんの素顔&映画作りに大切なこと
すぐ笑ってしまう西島秀俊さん
ムロ「さて、今回西島さんは三谷さんの作品に初めて出演されたということで。どうでしたか撮影?」
(※2024年9月13日公開 脚本・監督三谷幸喜、長澤まさみ主演『スオミの話をしよう』に出演)
西島秀俊
「いや~面白かったですね。
吹いた吹いた。もう死ぬかと思った。NGがもうほんとに…」
三谷幸喜「すごい何て言うんですか。もうすぐ笑っちゃうんですよ、この方」
ムロ
「僕ねこの立場だから、見させてもらったんですよ。公開前なのに。
あれ、長回しワンカットで立ち位置もカメラも動いてるじゃないですか。
あれで吹いたら、また最初から」
西島秀俊
「最初っからになるんで。
いや、しかもみんな微妙にテンパってるんですよ、長回しだから。
それがもうおかしくてしょうがなくて、もう」
三谷幸喜「ほとんど舞台のように撮ったんですよ。リハーサルも1か月ぐらいありましたけど」
中居正広「稽古してる…僕も見ましたけども、稽古してる感じですね」
ムロ「え、三谷さんが西島さんにオファーした理由っていうのはあるんですか?」
三谷幸喜
「まあ、変な人いっぱい出てくるお話ですけども。
その中でもやっぱりお客さんはたぶん西島さんのあの役…草野っていう刑事なんですけど。
刑事の気持ちで見るだろうなっていう思いがあったので。やっぱりその感情移入しやすい感じ」
西島秀俊「感情移入できないですよ、あの役。全然できないと思う」(笑)
中居正広
「あれはね、瀬戸君にいっちゃう。瀬戸君目線で…。西島君もおかしな人だから、やっぱり」
イメージと違う明るくよく喋る西島秀俊さん
三谷幸喜
「まあ、結果的にはそうなりましたけども。
この方は、ホント僕お会いするまでは、なんかストイックで真面目で寡黙な方かなと思ってたんですけども。
あの、初めてお会いしたのが…あれ何の映画でしたっけ?
『シン・ウルトラマン』。
『シン・ウルトラマン』の現場にちょっとご挨拶に行ったときに。
その時は長澤まさみさんに会いに行ったんです。
そしたら、たまたま西島さんがいらっしゃってて。
で、そのとき初めてね、お会いしたんですけど。
ものすごい明るくて、もうベラ喋りで」(スタジオ笑)
西島秀俊「してないですよ」
中居正広「コミュニケーション」
三谷幸喜「噺家か!?この人はっていうぐらい」
西島秀俊「絶対しゃべってないです!そんなしゃべってない…」
三谷幸喜「いや、面白い方なんですよ。ねっ」
西島秀俊「「ねっ」じゃない…。」
三谷幸喜
「でもこの方はホント笑っちゃうから。大事な時にね。
もうだんだんそれが面白くなってきて。
「絶対次笑わせてやろう」とかって」(スタジオ笑)
ムロ
「だって本番OKにならないじゃないですか。
でも、それをクリアしたくなるんですね?」
三谷幸喜
「うん。すごいあの~デメリットもあるんですけども。楽しくなっちゃって。
そのー小林隆っていう役者がいるんですけど、彼に弱いんですよね?」
西島秀俊
「もうね…もう小林さん最高ですね。
だってなんか目にね、なんか目張り入れてるんすよ。
何で入れてるのか全然分かんないんすけど、ものすごい目張り入れてんすよ。」
三谷幸喜「目がはっきりしたキャラクター」
中居正広「本番だけ?いつやってる?」
西島秀俊「いや、だから本番になると目張りが入ってる」
中居正広「それ、三谷さんが目張り入れとこうと」
三谷幸喜「もちろんです。で、あんまりおもしろいから、今日はちょっと多めにしよう」
中居正広「つながんないじゃないですか。何楽しくなってるんですか。楽しくなっちゃってる」
三谷幸喜「この人にしか分からない時に、ちょっと目張り入れて」
手に汗握らせない、大爆笑ない…だけど、面白い!
中居正広「みんな面白かったな~」
三谷幸喜「なんか嬉しいな見ていただけた」
中居正広「何かね…こう手に汗握らせない?」
三谷幸喜「あ~面白いことを言いますね」
中居正広「何つうんだろうな」
三谷幸喜「握りそうで握らない」
中居正広
「そう。だいたい映画とかって、手に汗握って。
「う~どうなっちうんだ!?う~!う~!どうなんの!?」ってみたいんですよ。
こう握ろうと思ったら、解放されちゃうっていう。
これが三谷さん…だから僕が見てても、大爆笑ないんですよ。
でもその…」
三谷幸喜「ちょっちょっ…待ってください。一応最後まで聞きます」
中居正広
「手で笑ってこうやってうわ~!じゃないんですけども。
ずーっとにたにた、にたにたして見てる映画って感じ」
三谷幸喜「それはいいことですよね?」
中居正広「いいんですよ」
面白い映画は、常に展開しなきゃダメ
ムロ
「展開が絶対進んでますもんね。
展開するのに、あ~お~で、また知らない情報が入ってくる。
知らない人が入ってきて、知らない展開がやってくる」
三谷幸喜
「すごく今この方はいいことをおっしゃいました。びっくりした。
面白い映画っていうのは、常に展開しなきゃダメなんです。
同じような人間関係がずーっと続いてると、やっぱ飽きてくる。
どんなにいい映画でも飽きてくるんですよ。
やっぱどのシーンもちょっとずつでいいから、何か展開がないと」
中居正広「距離感が変わっていくから」
三谷幸喜「そうそうそうそう。そこが大事だなって僕はやっと最近気が付いたんです」
中居正広「めっちゃいいところ突きましたね。」
ムロ
「もう三谷作品を見てる歴史もありますから。
やっとバイト代を貯めてパルコ劇場のキャンセル待ちに並んで、三谷作品を観てたんですよ。
今も思いますけど、登場人物が全部生きて。
全員が主役になる瞬間があり、群像劇になる瞬間がある。
「この三谷作品にいつ私は出れるんだ」って思いながら、ここまですごい…生きてます。
フゥ~…フゥ~」
三谷幸喜「ふ~ん」(スタジオ爆笑)
中居正広「『スオミ』はホント…」
三谷幸喜「『スオミ』はほんとそうなんですよ。長澤さんも良かったでしょ?」
中居正広
「どのスオミが…どの…いろんなスオミじゃないですか。
長澤まさみの魅力がいっぱい出てくるじゃないですか。
どれがみんな好きなのかなって。
僕やっぱり、タクシーの運転手さんの時の長澤まさみが一番好きでした。
すごく僕のタイプ。
ちょっと恥ずかしいかな。ちょっと恥ずかしかったね、今ちょっと」
三谷幸喜「そっか~…」
次も一緒にやりたい俳優かどうかのポイントは「共通言語」
共通言語があると、一瞬で伝わる
中居正広「でも初めてで。よかったですねできて」
西島秀俊
「よかったです、ホントに。
あのー共演者の皆さんもホントに何かいい空気で。
なんかいいバランスだったんですよね。とにかく、現場が」
三谷幸喜
「西島さんとは、あのーぜひまたやりたいと思うんですけれども。
その、自分にとってまたやりたい俳優さんとう~ん、もう今回でいいかなってやっぱある。
それはいい悪いじゃないんです」
中居正広「好みっていうか」
三谷幸喜
「ていうかね…共通言語があるか無いか。お互いの。
だから例えば、どんな俳優さんでも、僕も長くやってるから。
こうやってほしいってこと相手に伝わらなくても、まあ時間かけて言えばいつかは伝わるんだけども。
それが10分、20分かかる人よりは、一瞬で伝わる人の方がやっぱりそれだけ別なことに時間を使えるじゃないですか。
そういう意味でやっぱり、西島さんは僕にとってもとても共通言語が…」
中居正広
「監督の理解…解釈がはやい。
でもその言語が合わない…相性が合わない役者さんは、もう呼ばないんですか?」
三谷幸喜「(笑)まあ、そこまではっきり言うと、今までね1回しか出てない…」
ムロ「調べれば出てきちゃいますから」
中居「だってそういう風に言っちゃったから」
三谷幸喜
「言っちゃったけど。スケジュールのこととかね、もあるよ。
今回出てほしかったけど、出てもらえない。
あの、オファーして断られたこともありますし。
だからその、いろんな条件はあります」
三谷幸喜さんとの共通言語…西島秀俊さんとムロツヨシさんの違い
三谷幸喜
「共通言語の話しましょうか?
例えばですよ。
僕が例えば台本に、「悩みながら鼻を触る草野(西島さんの役名)」って例えば書くじゃないですか。
ちょっとやってみてもらっていいですか?」
西島秀俊「今ですか?ちょっと!なんでそんなことするんですか」(笑)
(悩みながら鼻を触る演技をする西島さん)
三谷幸喜
「はい!これですよ。僕が望んだのはこれ。そうだから、何も言わなくてもわかる。
もうこれ!これ!こう親指と人差し指で…」
中居正広「ちょっとムロさんにやってもらおう」
三谷幸喜「じゃあムロさん…「悩みながら唇を触るムロ」でやってみてください」
(悩みながら唇を触る演技をするムロさん)
三谷幸喜「はい!もう全然違うもんね」(スタジオ爆笑・スタッフの拍手)
ムロ「拍手おかしいだろ!」
三谷幸喜「いや、もうびっくりした」
中居正広「なんで、いいじゃないですか。今の」
三谷幸喜「いいんだけど、正解はないんだけども、僕が思ったのと違う」
中居正広「これに時間がかかってしまうっていうこと。さっき言ってたのは」
三谷幸喜
「西島さんの場合はね。こうやって鼻を触るったって、色んな触り方あるじゃないですか」
中居正広「はい。こうやって触ったりとか、こうやって触ったりとか」
三谷幸喜「でも、これを選んだっていうことに共通言語がある」
中居正広「正解三谷さんだから」
ムロ「そうですよね。そう、正解はないんだから」
三谷幸喜「全然。全然違うな」
ムロ「そんなに違いました!?」
中居正広「もう1個与えてください」
三谷幸喜
「じゃあ、ちょっと僕、難しいのいきますよ。「何もすることがなく手遊びをしているムロ」」
(何もすることがく手遊びをしている演技をするムロさん)
三谷幸喜「それでいい?」
中居正広「まだ時間ありますね?」
三谷幸喜「カット!全然違う(スタジオ笑)。音が余計」
ムロ「困って音出しちゃった」
中居正広「面白くしてくれるからね」
三谷幸喜「やっぱ相性良くないですね」
ムロ「相性よくなかったか~」
中居正広と話した「刑事モノのドラマを一緒に」
中居正広「前も僕ね、三谷さんと何かやりましょうねって話したときありましたよね」
三谷幸喜「『SMAP×SMAP』ですよ」
中居正広「ちょっとね、熱くしゃべったことがあったの。間の時間で」
三谷幸喜「覚えてます?」
中居正広「覚えてます、僕」
三谷幸喜「「刑事ものがやりたい」っておっしゃったんだよね」
中居正広「そんな話しましたね。十何年…もう結構前ですね。」
三谷幸喜
「刑事モノ…すごい覚えてるんですけど。
「刑事モノで三谷さん『古畑』みたいなの書かれたけども、あれは最初に犯人が分かっていて。
で、それを後から古畑が出てきて探っていって。
で、最後あなたが犯人ですねみたいなのあるじゃないですか。
そうじゃなくて、全く真逆のはどうでしょうか?」っておっしゃって」
中居正広「何かそんな話したの、ねっ」
三谷幸喜
「真逆っていうと、大体普通みんな逆なんじゃないかなって。どういうことなのかな?って。
もうちょっと詳しく伺いたかったんだけども…始まっちゃったんで、コーナーが。
中居正広「それもう十…えっ、何年?もう15年くらい前ですよね」
三谷幸喜
「でも僕はその後にそうか「中居さんの刑事モノってあるな」と思って。
自分なりにちょっと色々考えたんですよ。
で、警官がいいな。制服警官の方が何かね、似合う。なんか田舎のね、駐在さんみたいな感じ。
で、こう村の事件を解決していくみたいな。
なんかそういうのやってみたいなって思いましたよ」
中居正広「やっぱり、(香取)慎吾と(草彅)剛とあのズブズブじゃないですか」
三谷幸喜「ズブズブってよくない!ズブズブって言い方良くない」
中居正広
「だからそこがあるから、なんかそこを壊したくないなっていうのもあります。
何か面白い関係なんですよ」
西島秀俊「逆にちょっと触れられないんですね、そこは」
中居正広
「そう。そこはちょっともうね、昔からその話を聞いてるし、その間柄見てたりするから。
何かもう「あの話 三谷さん…」っていうのが、ちょっとこう…なんかちょっと(躊躇していけない)感じになってたりします」
出演者とはプライベートで関わらない
俳優さんと飲みに行って良かったことは1度もない
ムロ「お二方は共演者で同じ現場、作品を作った方とプライベートで仲良くされたりはしますか?」
西島秀俊「そうですね、まあ…。な…な…います。何人か。はいはいはい。」
中居正広「ムロさんはね、必ず」
ムロ
「僕は結構仲良くなっちゃう方ですね。
一緒にご飯食べたり、同じ台本の話したり。三谷さんは?」
三谷幸喜
「僕は一切ないです。やっぱ、俳優さんと飲みに行って、良かったこと1回もないんですよ。」(笑)
ムロ「何があった…」
三谷幸喜
「例えばすごい素敵な俳優さんだなと思って、現場でもすごくいい感じなんだけども。
飲みに行って、なんか「この人こんな感じなんだ…」とか思うことがあるとしたら、すごい残念じゃないですか。
みんなにとってマイナスじゃない。」
中居正広「変な、もう変な情報を入れたくないんですよね。余計な情報を」
三谷幸喜
「そうそう。現場だけの付き合いの方がどれだけいいかっていうのを今までの自分の人生で学んできました」
行かないけど、声はかけてほしい
三谷幸喜
「で、もう例えば『鎌倉殿の13人』っていう大河をやってて、みんな仲良くなるじゃないですか。
で、俳優さん同士で飲みに行ったって話を後から聞いたら、「いや、なんで電話くれなかったんだろう」って」
ムロ「そうなんすか!?」
中居正広「羨ましい。声はかけてほしい」
三谷幸喜「そう。断りたいんですよ。声をかけてもらって」
ムロ「えっ!?そういうのもあるの?」
中居正広
「だって、無視されるのは嫌でしょ。みんなで集まってて。
声掛けられて…「こんなメンバーでいるんで、三谷さん、ちょっとぜひ参加していただけませんか?」」
三谷幸喜
「ごめん、今日はちょっと無理なんだよね。ごめんね」。これやりたいんだって。(笑)
そしたらね。前は一応そういうこともあったんですよ。
僕がごめんねつったら、もうそれ終わっちゃうんですよ。
もう1回かけて欲しいじゃないですか、やっぱり。」
中居正広「めんどくせえな~」
三谷幸喜「もう1回。違う方からとかもう1回」
中居正広「だって、しつこいの、しつこいのダメじゃないですか。」
三谷幸喜「いや、2回ぐらいなら。」
中居正広「2回はOK」
三谷幸喜「で、3回目振られたら、まあ行きますよ。」
中居正広「これ得意でしょ」
ムロ「そう。何回も振るの得意」
中居正広「何回も誘えるよね?」
ムロ
「僕何回も誘っちゃいます。それ聞いたらずっとします。
街中で会ったら、もうずっとします。
街中で会ったらすぐゲリラで僕チラシ渡し…」
三谷幸喜「あの、やっぱり人によるな」(笑)
北野武さんとの思い出
西島秀俊さん 子供の頃から好きな北野武さん 「1カットのためにすごいセットを作る」
ムロ
「さあ、それでは…西島さんは今30年、役者生活30年経つぐらいだと思うんですけど、そん中で、影響を受けた方とかいらっしゃいますか?」
西島秀俊
「そうですね…まああの僕、北野武さんが子供の頃から好きで。
映画監督としても好きだし、俳優のビートたけしさんも好きなので。
そして、映画『Dolls』でそうやって抜擢していただいたってこともあるんで。
まあ、影響は受けてますね。演技も好きだし。」
(※『Dolls』(2022年10月公開):北野武が監督・脚本を務めたラブストーリー。西島さんは北野作品に初出演にして、主演を務めた)
ムロ
「あの時、作品出られたとき、すごい緊張感なんですか?
独特の空気って聞いたことはあるんですけど」
西島秀俊
「あの、えっと『Dolls』のときは、結構現場にいらっしゃって、演出を直接されてたんですよ。で、すごく楽しくて」
中居正広「どっからかそうベースにね」
西島秀俊「今は本当にベースにこもってらっしゃって、こう助監督が伝えに来るっていう」
三谷幸喜「結構ね、行ったり来たり疲れちゃうんですよね。」
西島秀俊
「でも楽しそうに…あの『首』って映画でも、ほんとに久々にご一緒しましたけど。
はい、本当に楽しそうに」
中居正広
「あの緊張感やっぱいいですね。
だから武さんもね、どっかのセンサー触れたらブチギレんじゃないかなっていう感じいいよね」
西島秀俊「まあ、殺気があるっていう」
中居正広「ああいう人って貴重というか、いなくなってきてるからね」
三谷幸喜「実際現場でキレたこととかあるんですか?武さん」
西島秀俊
「いや、僕は見たことないですけど。
ただホントにその…こうセットに行って、すーごい広いセットを組んで。
ああ、まあ燃えたあれですね、本能寺。
燃えた後のセットばーって造って。
で、ちょっと「柱が細い」と。
「もっと太くしてくれ」って言って、全部美術さんが太く作り直して。
で、僕大事なシーンだったんですけど。
こう砂もって、さーってやって。
1カットで「はい」って言って帰って行って。
「えっ!?1カットで終わるんだ」と思って。「寄りとかないんだ?」っていう。
もうその…この引きの…。そのために造ったんですよ、そのセット。
で、ホントにもう1カット撮って、「うん」つって。「じゃあ」つって」
三谷幸喜さん 「お化けが出たからと現場に来ず…でもやっぱり素敵な人」
中居正広「え?たけしさんとはあるんですか?」
三谷幸喜
「僕だいぶ昔に『ビートたけしのつくり方』っていうバラエティーがあって。
その中にミニドラマがあったんですよ」
(※ビートたけしのつくり方(フジテレビ):1993~1994年に放送されたビートたけしの冠番組。トーク・コント・ミニドラマのコーナーがあった)
中居正広「あった。もう30年…もっと前かな?」
三谷幸喜
「いや、でも20年以上かもしんないな。その本を書いてたんですけども。
で、すごい覚えてるのは、ドラマの最終回の時に、たけしさんが…だって主役ですよ?
主役なんだけど、現場になかなかいらっしゃらないんですよ。
でも、セットも全部組んで。で、ゲストに高島忠夫さんがいらっしゃって。みんなも衣装着て待ってるんですよ。全然来ないんですよ。
で、もう最後なんかプロデューサーの方が「今日たけしさん、ちょっと何かお家にお化けが出たらしくて、来ません」」
西島秀俊「(笑)あった!ありましたよ、何か。ラジオでもあった!」
三谷幸喜「何かあのころよくお化けが…」
西島秀俊「そうよくお化けが、たけしさん家出て」
中居正広「しょっちゅう出るよね。しょっちゅう出んの、お化けが。」
三谷幸喜
「でも、まあ僕がまだ新米でしたけども。
自分が書いた台本で、最終回でこんなセット組んでみんな待ってんのに、たけしさん来ないってどういうことだ!ってちょっと腹が立ったんですよ、その時は。
「何がたけしだ」と」
中居正広「たけしさんとはいえ、最終回出てこなきゃ駄目じゃないかと。」
三谷幸喜
「ダメだと。人間としてダメだと思って。
そしたら、そのあと打ち上げがあったんですよ。
で、僕も参加して、たけしさんは中央にいらっしゃって。
僕はもうほんと端っこだったんだけども。
最後つまんないから帰ろうと思って。
「お先に失礼します」って言ったら、たけしさんが、向こうの方にいたんだけど、僕を見て立ち上がって「おう」っておっしゃったんです。
感動。
その瞬間、「なんて素敵な人なんだろう」。僕に「おう」って言ってくれた」
中居正広「それでひっくり返っちゃいます?」
三谷幸喜「そこにすべてがなんか…」
中居正広「「おう」だけじゃひっくり返らないんじゃないですか?」
三谷幸喜
「いや、もうそれは、あの「おう」を見てないからですよ。それだけの「おう」だった。
なんかそんな感じありますよね?」
西島秀俊
「そうですね。僕だって、『首』のオファーはなんかバラエティーの廊下で。
「あ、ちょっと聞いてる?」って言われて。
「あっ、何となく」って。
「頼むな」って言われて。
「はい」って」
中居正広「もう行きます!みたいな」
三谷幸喜「そうそう。そんな感じ」
中居正広「たけしさんと対談してほしいな。」
三谷幸喜「いや、それこそ緊張しちゃうな」
西島秀俊「変なこと言っちゃだめですよ」
中居正広「何かね、そう。鼻息荒くなりそうだな~」
三谷幸喜「いや、カッコいい方ですよ。いやなんかね…」
ムロ「次の話題行こうと思いますが…今何かお話しされようと思ったので、聞きます。」
三谷幸喜「いや、いいよもう。なんかかみ合わないんですよね」(笑)
ムロ
「あの~一番最初に言ったんですけど、やっぱ好かれたいという欲が拭いきれない。
三谷作品出る可能性をどこかここで作りたいという欲が、消せば消すほどいいはずなのに、それは消せないという事を自分は認めつつあります。
だから空回りしてもなんだろう変な動揺がなくなってきてます」