【リアルストーリー】ココイチFC新社長 諸沢莉乃さん「22歳でバイトから社長に!母の前向き子育て術」(2024年8月16日放送)

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諸沢莉乃さん。
2001年生まれの22歳。

驚くことに、今年(2024年)4月30日までいわゆるCoCo壱番屋のアルバイトでした。

そんな彼女が突如年商約22億円企業の社長に就任。
彼女の底抜けに前向きな経営者気質の原点は?

その秘密は母の子育て術。

決して小さい頃から成績優秀ではなかった彼女。
その彼女が新社長に選ばれたのは、その人間性が理由でした。

 

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その若すぎる新社長に取引銀行も思わずため息をついた

東和銀行担当者「若いですね。うちの新入行員…今年23歳の年ですか?」

諸沢莉乃「そうです」

新入行員「同じです」

ココイチ西牧大輔会長(54歳)「だから新卒の年なんですよ」

東和銀行担当者「うちに新卒で入った子がいるんですけど、社長でしょ?」

諸沢社長「はいっ!」

 

諸沢社長「こういうのは今日が初めてですかね。
今日この後もバタバタと銀行さんとかとお会いするんですけど。
なんか社長になったっていう感じしますね」

ディレクター「うれしい?」

諸沢社長「うんうん。新しいこと嬉しいです」

 

(この日はアルバイトしていたココイチの店舗へ)

諸沢社長
「これアルバイトして初めて2万円出して買ったリュックです。
7年間愛用中。高校生の時からずっと」

構えたこちらが拍子抜けしてしまうほど自然体。

ところが一歩店内に入るとその顔に自信がみなぎった。

諸沢社長「(みんなは)黒とか青のシャツなんですけど、(私は)白なんですよ。」

そう実はこの白シャツ。全国に2万人以上いるココイチのスタッフの中から…

諸沢社長「(接客が優秀な)スターの人に配られる制服」

ディレクター「ほんと限られた人しか?」

諸沢社長「そうです。31人しか着てないです。」

と言うほどの接客のプロ。

ちなみに彼女が社長を務めるのは、カレーハウスCoCo壱番屋のフランチャイジーとしてココイチを25店舗経営するいわゆる加盟店。

年商およそ22億円。

社員・アルバイトなど合わせて総勢400人を超える所帯を切り盛りするのが、新社長に科せられたミッションだ。「スカイㇲクレイパー」

久々に現場に出たという彼女の胸には本部から授かったというスターの証。

 

落ちこぼれの新人アルバイト

その動きはいかにも出来る店員といった風情だが、実はアルバイトとして初めてフロアに立った頃は…

諸沢社長
「この福神漬け詰めて」って言われたらもうこれしかできないんですよ。一生懸命これ。

発声だったら「いらっしゃいませ」これだけ

もちろん接客の仕事をさせられても…

諸沢社長
「注文を受けた席からフロアまで二宮金次郎みたいな。
こうやって(注文票を見ながら下向いて歩いて)。
だからお客様が入ってきても気づかないんです」

 

母の子育て術

ではなぜ、そんな彼女が社長にまで登り詰めることができたのか?

取材を進めると、どうやらそのルーツは母親の子育て術にあるらしい。

 

礼儀に厳しかった「絶対目を見て挨拶しなさい」

諸沢社長
「母は老人ホームで働いていたんですけど、老人ホームに行ってそこのおじいちゃんおばあちゃんに遊んでもらってたり」

そんな時介護職だった母は必ず幼い彼女の手を取り、


「いい?おじいちゃんおばあちゃんに会ったら、必ず目を合わせてごあいさつするのよ。分かった?」と言い聞かせていた。

 

諸沢社長
礼儀にはすごく厳しかったので、「絶対に目を見てあいさつしなさい」っていうのは、会う前にちゃんと言われていましたね」

 

困っている人を自然に助ける姿

諸沢
「(ある時)母が何かに気づいたのか、ちょっと前に走っていったんです。
パッて見たら、おばあちゃんが両手にすごい重い荷物を持ってて…」

(再現VTR)

諸沢社長母「大丈夫ですか?上までお持ちしましょう」

おばあちゃん「すみません」

それを見て…

諸沢社長
かっこいいなと思って。母がやっていたこと。
感動したんですね。初めてそういう人を見たので」

するとその数日後…

諸沢社長「(集合住宅の)同じ棟のおばあちゃんが両手に大きいビニール袋2つ持っていたので」

(再現VTR)

子どもの頃の諸沢社長「おばあちゃん、上まで持って行ってあげる」

おばあちゃん「あら、ありがとう」

 

諸沢社長「「お母さんのまねしよう」と思って、(荷物を)持ってそのおうちまで送ってあげたんです」

(再現VTR)

すると…

(玄関のチャイムが鳴る)

子どもの頃の諸沢社長「あっ、おばあちゃん!」

おばあちゃん「さっきはありがとう。これお礼のお赤飯。食べて」

子どもの頃の諸沢社長「ありがとうございます」

 

そのやり取りを見ていた母は…

母「よかったね、莉乃。きっとすごく嬉しかったんだと思うよ」と我がことのように喜んでくれた。

 

その時感じたのが・・・

諸沢社長
「私は母がやっていることをかっこいいなと思って、それをマネしてやっただけなのに、お赤飯もらえて、父と母に褒められて。

みんなハッピーになるな」って」

 

勉強はできなかった

母は5段階評価より先生のコメントを見る

一方、学校の成績はいくら頑張っても…

諸沢社長
「勉強はできないですよね(笑)。
漢字テストを頑張っていました。覚えれば100点取れるので」

ディレクター「でも、歴史とかも覚えたらできません?」

諸沢社長「ちょっと長くないですか?覚えるものが(笑)」

ディレクター「漢字は一文字だから?」

諸沢社長「そうです、そうです(笑)。バカが言うこと」

(再現VTR)

当然成績は最悪だったが、そんな時も母は…

母「あら、すごくいいじゃない。頑張ったね」

諸沢社長
「(母は)5段階評価よりも先生からのコメントを見るんですよ。

「莉乃はいっつも明るいんだね」とかそういうプラスなことしか言われたことないですね。」

 

そう。いつも母の背中を見ていた彼女の成績表には、

  • 終わりの会では友達の良いところを見つけ、沢山発表出来ました
  • 友達に対して温かい気持ちで接し、親切にすることが出来ました
  • みんなの立場になって考えていく力が更に高まり…

等の言葉が並び、

母もまた娘の良さが学校でも出せていることに安心しましたと根っからのポジティブシンキング。

 

100点中6点から8点に上がったと喜ぶ母

その極めつけが…

(再現VTR)

中学3年の三者面談で…

「お母さんもご存じのように今回のテストはですね…」と先生が言いかけると…


「いや、先生。前回は(100点満点で)6点だったけど、今回は8点じゃないですか。
2点も上がった!莉乃よく頑張ったね

 

諸沢社長
「先生もポカーンとしちゃって。
しかも受験期じゃないですか。
もうそろそろやばいのに、母はもう「すごい!」
これです。ずっとこのスタンス

 

公立高校受験に失敗しても「おめでとう」

いつだってこんな調子なので、第1志望の公立高校受験に失敗した時も…

諸沢社長
「泣いて帰って玄関のドアを開けたら、母が「おめでとう」って抱きしめてくれたりとか。

それ「何で?」って言ったら「(すべり止めの)私立は合格しているからおめでとうだよ」って言ってこう抱きしめてくれて」

 

周りが見えないアルバイトから新人を生まれ変わらせる指導者へ

全身全霊で自分のすべてを肯定してくれた母。

こうして無事高校に進学した彼女が偶然出会ったのが、後の運命を変える「ココイチの求人募集」だった。

笑顔と声はいいけど、周りが見えないアルバイト

面接には何とか受かったものの、何か1つしていると、もう他には何もできない有様

とその時聞こえてきたのは…

一緒に働く男性「諸沢さんって声は良く出ているんですけど、周りが見えてないんですよね」

一緒に働く女性「笑顔はいいんですけどね」

 

諸沢社長
「「あの子声は出るんだけど、周りが見えないんだよね」って店長がこっちで言っているのを私聞いてて。
くーっ、悔しいと思いながら。」

 

こうなりたい人をひたすらマネする

けれどどんなに悔しくても、決して落ち込まないのが母譲りのたくましさ。

そんな彼女が躊躇せず選んだのが、

 

諸沢社長
ひたすらマネしていたこうなりたいって思って
その人のことをよく観察して、まねをしてた
ただそれだけです」

 

そう。周囲から尊敬されるできる先輩を見つけると、恥も外聞もなく、その人の視線から口癖、行動パターンに至るまで、すべてを丸パクりし始めた彼女。

それはかつて母をまねたときのように

諸沢社長
まねしたらいいことがあるんだとか、真似したら違う自分になれるんだとか。
そういう経験が過去にあるから」

このいいことなら全て吸収してしまう異様な素直さでメキメキと接客技術を身につけていった彼女は高校卒業後もフリーターとしてココイチに残ることに。

 

アルバイトの指導もポジティブシンキング

やがてバイトを指導する立場になると、その指導で悩めるアルバイト達を次々と生まれ変わらせていく

 

その悩めるアルバイトの1人が自他ともに認めるポンコツバイトだった19歳の大学生ミッちゃん。

ミッちゃん
「お客様にお水をこぼしてしまったりだとか、そのサラダを落としてしまったりとか。
5か月たっても研修バッジが外れないぐらい全然ダメダメでした。

諸沢さんが初めて(店に)いらしてくださったときに、絶対怒られると思って裏に呼ばれたんですけど。
その時に「すごい目力強かったもん。私も目力マネしたいと思った」って。

「あれ?怒られなかった」ってなって」

そう母親譲りのポジティブシンキングはどんな相手にでも発動。その証拠に諸沢はその日の日報をこう綴っている。

『ミッちゃん♪積極性と明るさがピカイチ~!!
その溢れるキラキラさを沢山沢山吸収させていただき、中山店へ持ち帰らせていただきます♡』

以来ミッちゃんは…

ミッちゃん
「「いい人の接客をまねする」っていう風に言われて、「諸沢さんのまねしてみよう」って。
当たり前のことをしているだけなのに、「ありがとう」「助かる」って言ってくれるから、自信に変わりました」

 

諸沢さんなら自分より従業員を幸せにしてくれる

この誰にもまねのできない能力を目の当たりにした当時の社長西牧さんは…

 

西牧大輔会長
「その頃から、「あーこの子は真っすぐで、そして素直で前向きで、やっぱり一生懸命なんだなって。うん」

 

彼女ならきっと自分より従業員を幸せにしてくれる
そう直感し、まだアルバイトだった諸沢さんに

(再現VTR)

当時の西牧会長「諸沢さん、実はあなたに次期社長になってもらいたいんだけど」

当時の諸沢社長「えっ、社長ですか?」

諸沢社長「最初は笑いました。「えぇ!?(笑)」みたいな。」

もちろん西牧とて…

西牧会長「もちろんやってくれたら嬉しいけど、OKもらえると思っていなかったのが正直」

(再現VTR)

ところが彼女はこの時も真っ直ぐな瞳で…

当時の諸沢社長「はい。私で良ければ」

諸沢社長
「まさかね。高校卒業して高卒の私。
勉強もあまり得意ではない私が、社長にっていう。
これからの自分の人生にワクワクしたのを覚えています。」

 

そこからの顛末は多くのメディアが語っている。

しかしほとんど語られていなかったのは、そんな彼女を無条件で抱きしめ続けた母の存在とそのポテンシャルに気づいていた前社長のまなざし。

バイトの頃から諸沢さんのポテンシャルに気づいていた西牧会長は言います。

西牧会長
ウソつかないとか約束守るとか。とにかく人間性。あと素直かどうか。

だからこのタイミングで彼女がバトンを受け継いでくれたのは、もう僕にとっては本当にラッキーです。」

 

なぜならいま若者たちの中にはこんなに素晴らしい人材がいるのに…

西牧会長
オッサンがオッサンにバトンタッチしてどうするんだって。それで何が変わるんだって。
それは僕にはできない。」

オッサンにバトンタッチした所で、社会は何も変わらない。

だからこそ選ばれた明るく素直な22歳は今の日本に足りないものを教えてくれる気がした。

 

 

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