山崎育三郎「ちょっと共通点があって。お会いするの結婚式以来ですよね?」
柳楽優弥「そうですね、はい。」
山崎育三郎「僕の兄と仲良くさせていただいてて。茶道でね。習い事で。」
柳楽優弥「そうなんですよ。僕もお茶を習ってるんですけど。お兄さんに…」
山崎育三郎
「お茶を習ってる。うちの兄もやってて、そこで出会ってから。
共演とかはなくて。お兄ちゃんの友達っていう」
(街頭インタビュー)
一般の人の声
・男前で憧れる
・ワイルドって言うんですかね。THE男っていう感じ
・目力が強い
・いろんな顔の表情を感情で分けて、セリフなくても顔一つで感情が分かる。表情力ヤバい
・全くプライベートが見えない
柳楽優弥
「街頭インタビューってこう恥ずかしいですね。
とても苦手な…はい、ことだなってちょっと感じましたけど。
そんなこと言っててもね、仕方ない(笑)
まあ、照れくさいですけど。ただ、うれしいですね」
山崎育三郎
「なんかケンカしてるとか男っぽいんだよっていうよりは、むしろすごく柔らかくてピュアで」
柳楽優弥「夢に向かって頑張ってます(笑)」
- 14歳:映画デビュー&カンヌ映画祭で最優秀男優賞
- 19歳:豊田エリーさんと結婚「高校の先輩。かわいいなあ」
- 役が決まってからやるのではなく、趣味が役につながれば
- 14歳:同級生がきっかけで受けた初オーディションで主演に
- YOUさん(初主演映画で共演)からのコメント「子供の時に有名になり、辛かったと思う」
- 台本がなかった初映画 その後の仕事の苦悩
- 10代:ついていけてない感覚 憂鬱だった
- 20歳:役者業を離れ、アルバイト生活。色んな現場に身を置きたい
- 30代(現在):動じずに挑める感覚 身が軽くなった
- 堤幸彦監督からコメント「顔面の強さ・表情のインパクトが素晴らしい」
- これから 「学んだことを表現して、ぶち抜いていく!」
14歳:映画デビュー&カンヌ映画祭で最優秀男優賞
ちょうど20年前。
映画デビューはあの「誰も知らない」(2004年 是枝裕和監督)。
ちょうど14歳。
するといきなり…
第57回カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞を史上最年少で獲得。
当時のインタビュー
記者「トロフィーを今日受けての感想を一言いただけますでしょうか?」
柳楽優弥(14歳)「え?うれしいです」
記者「はい、ありがとうございます」
とんでもない役者が現れたと一躍時の人に。
以来、映画やドラマに舞台と様々な話題作に出演。
19歳:豊田エリーさんと結婚「高校の先輩。かわいいなあ」
山崎育三郎「(街頭インタビューで)プライベートが見えないっていう意見もありましたけど」
柳楽優弥
「なんか、最後のプロポーズするっていう。
なんか(相手を)尊重する気持ちって大事なのかなって思ったりするので。
それが秘訣じゃないですかね。」
山崎育三郎「相手のことを尊重するっていう。でも結婚…何歳で結婚されたんでしたっけ?」
柳楽優弥「19歳でした(2009年女優豊田エリーと結婚)。うん…早いっすね」
山崎育三郎
「そうですよね。年齢的には早いです。
でも、この人と(結婚)したいって思えたっていうのはどういうのがあったんですか?当時」
柳楽優弥
「なんか高校の先輩で、あのー「かわいいなあ」と思って。
なんか最初プロポーズした時も僕17歳とか。」(スタジオ「え~」)
山崎育三郎「高校の時付き合って割とすぐ?」
柳楽優弥「結婚できないよみたいな。たぶん法律が18歳になってからで」
山崎育三郎「あ、結婚したいと思った時はまだ17で?あ、結婚できないや。そういえばと」
柳楽優弥
「そうかと思って。ただその後ちゃんとしましたね。19歳になって。
ただ僕やっぱ(結婚)してよかったなってこう思うし。
やっぱ尊敬できる面がすごくある方なので。
まあ、年々この人で良かったなと思えますね」
山崎育三郎「年々この人で良かったなと思うって」
柳楽優弥「だけどやっぱこうお互い成長し続けたいなと思いますけどね」
山崎育三郎「結構、話はよくするんですか?」
柳楽優弥
「とてもしますね。はい。
あの、共通の趣味にエンターテインメントがなっているので。
なんかそこへの意見をまあ交換するとか。
僕の面白かったところがあんまりだったねとか。
なんかそういうところ(会話)に娘も入ってきたりして。」
山崎育三郎「あれ、今娘さんおいくつですか?」
柳楽優弥「13歳になりました」
井桁弘恵「じゃあ、同じ作品を観られる」
柳楽優弥「あ、そうですね。総じて楽しいですね」
役が決まってからやるのではなく、趣味が役につながれば
山崎育三郎「ちなみにお茶と他に(趣味)あるんですかね?やってる習い事というか」
柳楽優弥「トランペットも最近(1年前)始めて」(山崎「え!?」)
井桁弘恵「それ役で?」
柳楽優弥
「完全に趣味なんですけど。
(黒人の男性と2人でトランペット吹いている写真を見て)
これ隣にそのーNYで出会った彼が吹いていて。
そこですげぇカッコいいなと思って、刺激を受けて始めたんですけど。
男として経験のある人が好きなんですよ。
やっぱそういう風に自分もなりたいなって思うので」
山崎育三郎「でもトランペットじゃなくて、サックスもあるしトロンボーンもあるし」
柳楽優弥
「まあ、サックスを選ばなかったのは、お手入れが大変そうみたいな(笑)
あと語学。英語の勉強。コツコツやってるんですけど」
山崎育三郎
「でもやっぱりその役者さんとお話しすると、皆さんその役者のために。
じゃあ、アクションでレッスン行ったり、なんとか。
今度ピアノ弾くからピアノレッスン行ってみたりとかってあるけど。
そうじゃなくて、役と関係なく、自分の興味でいろんなものに挑戦してるっていうのはすごく意外だったっていうか」
柳楽優弥
「いやなんか、僕が思うになんかその「作品始まります」からこう習ってくと追いつかないなって思う機会が結構あって。
それならなんか事前に練習しておいて、運良く作品と絡めば、それを表現出来たらいいなって思う。まあ、トランペット吹く役、何回人生にくるか分かんないですけど。
あの、すごい確率低い中でトランペットやってるんですけど」
山崎育三郎「でもいつか役とリンクするかなと」
柳楽優弥「そうそう。「何かのために備えておこう」みたいな感覚です。」
山崎育三郎「これやろうって思う瞬間って何なんですか?色んなものがある中で」
柳楽優弥
「多分僕が割とやっぱ運動好きだったり、割とアクティブなワイルドなものが好きなタイプであると思うんですよね。
やっぱ憧れるんですよね。こうやって(茶道のお茶をたてる仕草)静かに。カッコいいな~って」
14歳:同級生がきっかけで受けた初オーディションで主演に
山崎育三郎「でも、あの14歳の時の映像ありましたけど。ま、子役に入ると思うんですけど、どういうきっかけだったんですか?」
柳楽優弥
「あ、なんかあのー友達…同級生の女の子が昼ドラに出ていて。
なんかそれを友達とかなんか10人位。みんなでそれ観ていたんですよね。
やっぱ盛り上がるじゃないですか。なんかやっぱこういう感覚いいなと思って。
単純に自分も出る側になってみんな笑わせたいみたいな。それで…」
井桁弘恵「あの映画(「誰も知らない」)に抜擢されたのはオーディションだったんですか?」
柳楽優弥「あ、そうですね。さっきの映画が初めてのオーディションで」
山崎・井桁「初めてのオーディション!?」
山崎育三郎
「友達を喜ばせたいなって言って、お母さん僕やりたいよって言って受けたオーディションで主演に選ばれて。で、すぐにカンヌで賞をもらうっていう。
でも、14歳だよ。いげちゃん何してたの?中2か」
井桁弘恵
「陸上部!陸上部で真っ黒になって走ってました(笑)何も考えずに走ることしか。
あと、サッカー部の子と恋愛してました。サッカー部見ながら走ってました。」
山崎育三郎「それは、お付き合いできたの?」
井桁弘恵「はい。そんな今を楽しむことしかしてなかったですね」
YOUさん(初主演映画で共演)からのコメント「子供の時に有名になり、辛かったと思う」
YOUさんVTR登場
映画「誰も知らない」で親子役を熱演して以来20年ずっと成長を見守ってきた。
質問「普段の柳楽優弥さんは?」
YOU
「普段はなんかボーっとしてます。
くっだらない相談でいきなり電話かかってきたりとか。
本当に私的には息子みたいな感じですけど。はい。」
芸能界の母YOUは天才子役ともてはやされた柳楽を心配していた。
YOU
「ほんとになんかあれで、子供の時に有名になっちゃって。
ちょっと辛かったんじゃないかと思いますけどね。
なんでこんなことになってんだろうも分かんなかっただろうし。
学校生活とかそういうとこすっぽ抜けちゃったと思うし。
たぶん、タイミング的に。
だからなんか、大人に囲まれて、なかなかその自意識が育つ時間がなかったので。
まあ、全員ですけど、思春期ちょっとおかしくなるじゃないですか。
だからあそこでなんか、どっか行っちゃうのか、どうかな…と思ってるとこはありましたけど。
自分でちゃんと歩けるようになるまでは不安だったと思いますけど。
その辺はなんかちゃんとこうちょっと逸(そ)れるとちゃんと戻ってきたりできたので。
ちゃんと戻ってきてくれたので、良かったなと思います」
質問:今後どんな俳優になってほしい?
YOU
「いや、もうなんでも。何でも挑戦してほしいし。
すごい良い役者さんだと思うので。
臆せず今まで通り活躍していける役者さんだと思います」
山崎育三郎「やっぱりお母さんみたいな存在ですか?」
柳楽優弥「そうですね」
山崎育三郎「どういう相談されるんですか?」
柳楽優弥
「うん。僕こういうバラエティー番組での話し方っていうのが本当に分からない。
それであがっちゃうんですよ。YOUさんやっぱ色んな番組でられてるから。
「そのままでいいんじゃな~い」みたいな。(笑)
「考えすぎだよ~」みたいな」
台本がなかった初映画 その後の仕事の苦悩
山崎育三郎
「YOUさんから14歳であれだけ有名になって、辛かったと思うって言葉ありましたけど。
それは自分であんまり(受賞した)実感なかった?当時は」
柳楽優弥
「うん。その時は実感ないかもしれないですね。
ただその後、まあそういう評価をいただけたことによって得られた仕事だと、やっぱりこう自分の中で…
あれ(映画)「誰も知らない」って特殊な演出で。
割と演技をしない子役をたぶん是枝監督は選ばれてて。
だからその(演技の)技術的なところがやっぱり全く分からないというか」
何もわからず飛び込んだ運命の現場。
子どもの自然な姿を映し出すため、セリフや動きはあえて口頭で伝えられたという。
山崎育三郎「台本はない?」
柳楽優弥
「僕たちは見てないですね。たぶんスタッフはね、もちろん知っているとは思うんですけど」
山崎育三郎「はーもうでもドキュメンタリーのような」
柳楽優弥「ドキュメンタリーを撮ってる感覚なんですかね」
井桁弘恵「確かにそれがデビュー作で、そっから違う作品になるってなると…」
山崎育三郎「そうだね。まず、台本を覚えるところから始まるわけですもんね。新しい現場では」
柳楽優弥
「そうですね。台本覚えて、ちゃんと役柄をしっかり演じ切るってことがね、もちろん本来求められるかたちだから。
ま、そこでなんとなく自分の中でギャップというか。
なんかその自分のいる現在地とか実力ってものがだんだん分かってきたなって感じ」
10代:ついていけてない感覚 憂鬱だった
山崎育三郎
「でも2作目、3作目からちょっとそのやり方の違いとか知らないことが多くて。
どのあたりからこの楽しみになってきたっていうか。「あ、俺役者でやっていけるかも」とか?」
柳楽優弥
「あ、でも最近ですかね。
割と10代がそのー主演作に色々出させていただけて。
まあ、嬉しいんですけど、やっぱりそこに自分がついていけてないって感覚の方がすごい強くて。
毎回頑張って、こうなのかな?こうなのかな?ってやるんですけど。
やっぱいきなり演技って上手くならないじゃないですか。
だからそこでこう表現…なんかやっぱ毎日結構憂鬱だなって感じていたし。」
20歳:役者業を離れ、アルバイト生活。色んな現場に身を置きたい
背負ったものの大きさに見合う役者でありたい。
20歳の時には役者業を離れ、アルバイト生活に(洗車・飲食店のアルバイト)。
当時のことをこう振り返ります…
柳楽優弥
「割とその13歳とか14歳からこの業界にいたので。
ここの世界(芸能界)だけで学ぶことはものすごく色々あるけど、それだけになったら弱い気がするみたいな。
なんとなくこう感じた瞬間があって。
まあ、一旦そのー芸能界とは違う業界で勉強するというか。
まあ、それは狙ってやっただけではなく、もしかしたらその時期ぼくにとってはあまりやっぱりこううまくいってない時期。仕事としてはですけど。うん。
苦しい時期だったとは思いますけど。
じゃあ、どうしたらいいんだろう?っていう中で、やっぱりこうね、いろんなキャラクターを演じることちょっとトライしてみようみたいな。
色んな現場にこう身を置きたいと思ったのが20代ですかね。」
そんな柳楽さん先輩俳優長谷川博己さんは…
「良いものを作るためには努力を惜しまない。そして、ストレートに感じることをそのまま表現できるその大胆さがスゴイ!と大絶賛。」
30代(現在):動じずに挑める感覚 身が軽くなった
(2024年現在34歳の柳楽優弥さん)
柳楽優弥
「「つまんない」って言われたくないっすよね(笑)。
「おもしろい」って思ったことを頑張って表現してます。
それで、30代。
またこう作品の中でのこうセンターみたいな立ち位置に悩むことあっても、なんかこう芯として動じないで、作品に挑めるっていう感覚に最近はなってきていて。」
山崎育三郎「そういうきっかけになった作品とかあります?30代で」
柳楽優弥
「それがあのー『ガンニバル』(2022 監督:片山慎三)って作品が数年前に撮ったんですけど。あとね『浅草キッド』(2021 監督・脚本;劇団ひとり)って作品があったと思うんですけど。
あれ…あのあたりですかね。
良い意味で身が軽くなった」
山崎育三郎「大変な役ではありましたよね、あの役も」
柳楽優弥
「怖かったですね。たけしさんとかなんかテレビで「下手くそだ!」とか言いそうじゃないですか」
山崎育三郎「それ、たけしさんから何かお言葉とかありました?」
柳楽優弥
「あ、まあ「頑張ってた」っていう風に、「面白かったよ」みたいなことをテレビでおっしゃってて。「ただ、漫才は下手だけどな」っていう。
あのその瞬間やっぱ「あ、頑張って良かったな」って思ったし。
同時にやっぱ監督まあ改めて尊敬できましたね。はい。」
堤幸彦監督からコメント「顔面の強さ・表情のインパクトが素晴らしい」
柳楽優弥さんの俳優としての魅力について
『SPEC』シリーズ 堤幸彦監督。最新映画『夏目アラタの結婚』(2024年)で17年ぶりの再タッグ。
質問;再タッグまでの17年間柳楽優弥さんをどう見ていらっしゃいましたか?
堤幸彦
「本当にこの何年か、本当にインパクトがあるなという風に思っていて。
うーん、彼のこの10何年間っていうのは、とても大きい財産になってるんじゃないかなという風にはおもいます。
変わらない点は、非常に大きいところは、やっぱり顔面の強さというか表情のインパクトっていうのは、もうずーっとありますね。うん。
それは変わらない素晴らしい。
スゴク技術的に進歩してるなっていう風に思います。」
そんな堤監督が驚いた柳楽の名シーン。
それは柳楽演じる児童相談員が、殺人犯に初めて面会し、プロポーズをするという重要な場面。
堤幸彦監督
「この全てのストーリーの始まりであり、そして結末がどうなるのか。
やっぱりそこが肝だと言ってもいい。
これはもしかして何回も何回も撮ることになるのかな。
いろんなことを思い描いて、危惧してたんですけど、どうですか?ほぼ2発くらいでうまくいきましたね。
やっぱり彼がそれなりに人生の中で経験した色んな肝の据わり方とか。
人間にどうやれば強く訴えられるのかとか。
そういうことが凝縮してるカットじゃないかと思うわけです。
あなたは本当に僕は国際的に通用する表情とそれから体の動きを持っていると思います。
世界に羽ばたく柳楽君であってほしいと思います」
柳楽優弥
「すごい嬉しいですね。
17歳の時に、「包帯クラブ」とという作品でお仕事させていただいて。
まあ、自分の得られた評価とやっぱりそこに対する技術的なことだったり。
なかなかこうあの良いバランスにならないなあみたいな個人的には思っていて。
まあそこで、まあこう背中を押してもらえるような感覚がすごい強く得られて。
おっしゃっていただけて、ありがたいです。はい。」
これから 「学んだことを表現して、ぶち抜いていく!」
カンヌから今年でちょうど20年。
作品映画「ガンニバル」(狂気の世界へと誘われる警察官役を怪演)で、
苦悩と努力を経て、柳楽さんは再び国際的な賞であるアジアエクセレントアワードを受賞。
柳楽優弥
「割とその今までのこうキャリアとか、なんか頑張りましたね賞みたいな感覚でもらえて。すごい嬉しかったです。
世界に外へ外へっていう気持ちを失わずに、ちょっとこれからも取り組んでいきたいなって。頑張りたいなって思いますね。はい。」
井桁弘恵「その20年間頑張り続けてこられた原動力というか、エネルギーというのはどこだったんですか?」
柳楽優弥
「なんかその10代前半の頃とか振り返ると、やっぱうまくいかないとか。
割と悔しいなとか感じてる瞬間が多かった。
なんか、何て言うんですかね。「ナメんじゃねぇ」みたいな(笑)。
ちょっと汚いですかね。
なんか自分の中でそこで終わりって思われてるとすごい嫌だなっていう感覚がありますし。
まあ、いろいろ学んだものをシッカリ表現して、なんかぶち抜いていきたいなって思うんですけど。」