芸能人の不登校経験
あのちゃん 小2~卒業まで不登校に
上田晋也「あのちゃんは?いつぐらいから不登校になった?」
あのちゃん
「そもそも小学校も人間関係って上手く行かなくて。
まあ中2~卒業までは不登校で。(きっかけは)イジメですね。
こうハーディーないじめがあって。
それも辛かったけど。
それよりなんかみんなが言ってる悪口を一緒にノリよくやってたらいじめられないんだろうなって思ったけど。
そうやって周りに合わせる事って自分がなくなっちゃうみたいな。
そのしんどさが一番勝って、不登校になった」
最上もがさん 高校時代不登校に
上田晋也
「えらいよね。そっち側(悪口言う側)にいけばいじめられずに済むんだけど、そっちにいかなかったわけだから。ね?
最上さんはいつぐらいに不登校だったんですか?」
最上もが
「高校なんですけど。なんか小学生の頃からなんだろう…集団行動にちょっと疑問があって。
女の子ってグループがめちゃくちゃ分かれてて。
「じゃあ、そっちのグループの子と仲良くするんだったら、こっちとは仲良くしないで」って言われちゃって。意味がわからなくて。
人間関係のことで親に相談できなくて。
学校行きたくないけど、まあ行くしかない。
で、ちょっと気分が悪くなって保健室行くっていうのを繰り返して。
で、高校生になったら、まあある程度自分で行動っていうか決めていいかなと思って、勝手にサボっちゃったりとか。
家出たふりして行かなかったみたいな」
吉木りささん 中学3年生にいじめで不登校気味に
吉木りさ
「私は、中学3年生の頃にちょっといじめがあって、不登校気味になってしまったんですけれども。
私子どもの頃から、声がすごい高かったんです。
なので、クラスメイトが「あの子の声って変じゃない?」って。「なんかぶりっこしてない?」ってなんか少しずつ陰口を言われるようになって。
だいたい先生がいない場所で私に聞こえるか聞こえないか程度のトーンでこうクスクス話しているわけですよ。
まあ、それが辛くて辛くて。
学校に行こうとすると、もう足が鉛のように重くなって動けないんです。
だからもう泣いてすがって、親に。
「もう頼むから今日だけでもいいから休ませてほしい」って何度も何度も言うようになってから、ちょっと不登校気味になりましたね」
須藤理沙さん 小学6年生の時に娘が…学校からはイジメてる子も同じ大事な生徒と言われ…
上田晋也「そうなんだね。須藤さんはお子さんが」
須藤理彩
「小学校6年生の時に長女なんですけど。
あのクラスメートの男の子から。
なんか最初は、なんかよくある好きな子にちょっかい出すみたいな。
「やーい、バーカ バーカ」みたいなやつが、徐々に徐々にエスカレートしていって。
なんか物が盗まれ始めたりとか。
なんか放課後つきまといがあって、後ろからランドセル蹴られたりとか。
っていうところまでエスカレートして。
娘も耐え切れなくなって、不登校ってこと選びましたね。
校長先生に言ったのが「いじめてる子を別の教室にすることってできませんか?」って。
なんかその子がいなければ、娘は学校に通えるので。
校長先生は「いじめてる子もいじめられてる子も両方同じ大事な生徒なんです。
だから、いじめてる子は学校に行きたくないとは言ってないと。
それなのに、別室で授業受けてくださいってことは言えない」と、学校からは。
「学校に来れないんであれば、先生としてはそれを尊重します」みたいな感じで。
じゃあもう仕方ないなっていうところで、不登校を選んだんですけど」
あのちゃん
「僕も実際、別の教室に移動させられた側です。いじめられてる、そう。
何で僕が?とは確かにちょっと思いました」
最上もが
「でもなんかいじめてる側に問題があるって思わずに、なんかいじめられてる方に何かしら弱さがあるからだって結構決めつける気がしてて。
でも私実際そのイジメてきた子と今実は仲いいんですけど」
上田晋也「ああそう?よく仲良くなれたね」
最上もが
「そうなんです。卒業した後にみんなで集まろうってなった時に、当時のことをすごい反省してるって言われて。
で、色々聞いたら、まあ本人がちょっと家庭の事情で結構まあつらいことがあって、それが鬱憤がすごいたまってたらしいんですよ。
精神状態が実は不安定だから、そういうことをしてるって私はすごい思ってて。
やっぱいじめてる子の精神状態をケアして、そっちをいったん違う教室とかに行かせた方が絶対良いって」
先生との相性が悪くて不登校になる子どもたち
小学校に行きづらいと感じた最初のきっかけを聞くと、意外なことにいじめ(25.2%)よりも「先生のこと(29.2%)」という回答が多かった
最上もが
「これはめっちゃわかります。
いじめもあったんですけど、それより先生との相性が悪すぎて。
で、担任の先生だから、逃げれないんですよね。
THE体育会系の先生だったんですよ。男の先生で。
基本的には、怒鳴って、あのみんながシーンとなったら、なんか従わせてるじゃないですけど。
ちょっと支配する感じの先生だったから。
もうはたから見たら、結構ひいちゃうぐらい、あの暴言吐いてたりして。
それだけは、あのお母さんに言ったんですよ。
あまりにもつらいから、本当に学校行きたくないって言ったら、まあお母さんが(学校に)かけあってくれて。
あの3年生になるころの担任は、優しい感じの先生にしてくれたんですけど」
あのちゃん
「僕も体育会系の先生だったんで。高校の時は、みんながいる前で呼び出されて。
なんか、髪の毛染めてないのに「髪染めてるだろ」とか言い始めて。
「いやしてないです」「染めてないです」って言っても「その態度はなんだ!」とか怒り始めて。
(同級生が)「うわアイツ…」みたいになって。
やっぱりなんか、いじめてもいいんだっていう認識にされるんですよ。
その対象にされることは多かったです、高校とかは」
吉木りさ
「先生の対応がどうなんだろうな?ってモヤモヤしたことがあって。
私があの保健室登校していた時に、良かれと思ってその保健室にその陰口を言っていた子たちを連れて仲直りの場を作ってくれたんです。
私からしたら、ちょっと迷惑というか。
で、その子達も先生の前だから、「大丈夫?」「どうしたの?」「元気出して!」みたいな。
まあそう言うしかないじゃないですか、その子達も。
なんの茶番だろう?っていう。(笑)
でも今思えば、たぶん相当苦肉の策だったんだろうなぁって先生の気持ちもわかるんですけど」
上田晋也「まあね。先生ももちろん良かれと思ってね?これで何とかっていうね」
吉木りさ
「(1クラス)30人~40人を担任と副担任2人でまとめるって相当大変だと思うんですよ。
それでいてSNSも相当発達してるから、目は行き届かないし。
私からしたら、どうしたらいいの?って思ってる先生方もたくさんいらっしゃると思いますよね」
親はどう対処すべき?
子どもが学校に行きたくないといった時、何と声をかければいいのか?
子どもの気持ちを尊重して休みたいときは休ませてあげた方がいいとは思うが、「学校にいってほしい」という気持ちが勝ってしまう。
大久保佳代子
「子供が単純に甘えてるのか何か根本的な原因があって行かせたら大変なことになるのかとか分かんなくないですか?お母さんも」
上田晋也「ちゃんと親に言ってるかどうかも分かんないしね。それを」
大久保佳代子「ねえ。言わない子もいるし、全然」
上田晋也「須藤さん、お嬢さんが学校に行きたくないって言った時、どう対応なさいましたか?」
須藤理彩
「長女は1人目だったので、私にとってもやっぱ初めてのことなんですよね、起こること起こることが。
だからもう、その都度悩みましたし。
なんか今振り返ると、やっぱり心のどこかで行かせたいっていう思いの中で、話をしてしまったのかなっていうのがあって。
だから、今だったらもう学校に行く目的。
例えば勉強しなきゃとか、まあ友達と遊びたいとか。
なんかそういう目的よりも、行けない!行きたくない!っていう理由の方が強いんであれば、それを無理して行かなくていいよっていう。
長い人生の中で、まあほんの一瞬なんだからっていう風には思えるようにはなりましたね」
あのちゃん…無理に「絶対に行け」とは言われず…お昼のバラエティを見ながらマックのポテトを食べた思い出
上田晋也「あのちゃんの親御さんどんな感じの対応だった?」
あのちゃん
「無理にこう「絶対行け!」みたいなことは言われたことなくて。
でもやっぱり、親には申し訳ないなって気持ちはどうしてもありましたね。
なんか家になんだろういじめに関する本が日に日に増えてくとか。
お父さんにはやっぱ胸ぐらつかまれて。
なんか「お母さんに心配かけるな」とかも言われたし。
でもやっぱり、自分の気持ちを尊重されてるって、なんか寄り添ってくれてる気持ちも、心配してくれてる気持ちも両方伝わるのは伝わると思うんですよ、やっぱ寄り添ったら。
なんか学校も、無理には行かせないけど、なんか(母が)「じゃあ車出すから、ちょっと今日は頑張ってみる?」みたいな感じで、車に乗って、その学校の前まで行って。
けど、その一歩がめちゃくちゃデカく感じていけなくて。
「やっぱり無理」って言って、帰り道中でマクドナルドでなんかポテト買って。
「一緒に食べよっか」って言って帰って。
みんなが給食を食べてる時間にそのマクドナルドのポテトを食べながら、お昼のバラエティーを見てるっていう。
その時間って、なんか今でも忘れられなくて。
で、そのそれを今大人になった自分で曲にしたんですよ。
それがマクドナルドのタイアップになったんです」
その曲が…楽曲「スマイルあげない」
(歌詞一部)
『お昼にテレビ見ながら食べたあのポテト
この部屋から動けなくなって現実逃避』
あのちゃん
「やっぱ学校行って得れることってたくさんあるけど。
あのそうじゃなかったからこそ、見える物も感じれることもたぶんいっぱいある。
お母さんと向き合った時間とか。
で「何言っていいかわからない…」ってお母さんとかたぶん言うと思うんですけど。
会話がなくても感じれることってあるから。
なんか解決しようとしなくていいんじゃないかなって思うんですよ」
吉木りささん…毎日「あなたのことが大好き」という母の言葉に支えられ
吉木りさ
「あのー私の母親は、確実に私が悩んでいたことを分かってたんです。
だけど「どうしたの?」「何があったの?」「話してごらん」って急かすことは全くしなかったんです
で、部屋にこもってても「りささ、今美味しいりんごあるから一緒に食べようよ」って言って、すっごくうまーくリビングに誘ってくれて。
そうすると、自然と私からこう「実はいじめにあっている」「変な声と言われている」とか色々ポロポロ泣きながら話す事ができたんですけど。
そしたら母親が「私はあなたの声が大好きだし」…あ、ごめんなさいね。泣きそうになっちゃうんですけど(涙ぐむ吉木さん)。ごめんなさい(涙が溢れる吉木さん)。
「本当に大好きだし。あなたは何も悪くないから。絶対にいつかあなたを必要としてくれる人が、これからたっくさん現れるから。だから、死にたいって思ったり、諦めちゃ絶対にダメだよ」って。
「私はあなたのことが大好きだよ」ってもう毎日のように言い続けてくれてたんです。
なんかそれが、わたしにとっても救われて。
なんか強要するでもなく、急かすわけでもなく、ただひたすら待ち続けて、で寄り添ってくれたっていうのが、私にとっては心の支えになりました」
上田晋也「えらいね、でも。親御さんも強いというかね」
吉木りさ「いや、ホントに。母親になって思います。私だったら、相当焦ると思うんです。
どうしてだろうって。どうして上手く行かないんだろうって」
最上もがさん…教育ママだった母に自分の気持ちを言えず
最上もが
「うちは、結構お母さんが教育ママって感じで。
まあう三きょうだいなんですけど。上に兄がいて。
兄の方がなんかそのすごい厳しくされてた感じなんですけど。
それを見てたから、なんかお母さんに「これやりたくない」とかその「行きたくない」っていうのが、怖くて言えなかったんです。
私はなんかもっとこう対話をしたかったなって思うんですけど。
でも、全然勇気がなくて言えなかったし」
上田晋也「お母さんに「学校行きなさい」っていうのは言われてた?」
最上もが
「行きなさいっていうスタンスは変わらなかったし、勉強していいところに就職してほしいみたいなのはたぶんずーっと思ってて。
まあでも、就職してあの働いたりっていうのを経験しなかったからこそ、まああの、あのちゃんと似てるんですけど、だからこそこの仕事をしてるっていうところはあるから。
ちゃんともしかしたら、対話して解決して学校に行けてたら、今の自分はたぶんいないから。
まあ、あの経験も活かせてはいるよなとは思ってますね」
学校だけじゃなく、他の世界もいっぱいある
なにわ男子 長尾謙杜
「なんか新しい居場所を作ってあげるっていうことはすごい大切だなと思いました。
なんか学生だったらやっぱ学校とお家っていうこの2つの居場所がやっぱ大きいものになってくるとは思うんですけど。
なんか1つがこう行きたくないって言うならやっぱ、お家のこの家庭の居場所を大切にしてあげたりとか。
こう寄り添えることはできるのかなってすごい勉強になりましたね」
あのちゃん
「学校は、まあ行きたいと思ったら行くのがいいと思いますけど。
必ず行くべきとは思ってないですね。
やっぱそれこそ、他の世界もいっぱいあるし。
好きなことがあるなら、好きなことをいっぱい知ることとか。
その先に自分の事を知ることができたりとかするし。
すごくマイナス…後ろに下がってるって親の方も見えちゃったりとか。
止まってるように見えてたとしても、その分すごく別の方向に進んでいる事でもあるので。
全然焦らなくていいなっていう風には思います」
上田晋也
「だから、例えばいじめから逃げるとかっていうのって、この世界から逃げることになんのかもしんないけど。
違う世界とか新しい未来へのスタートだって俺は思ってんのね。
だから、別にこういう逃げっていうのはマイナスだけじゃないよ、プラスな事だよ、違う環境にいけばいいじゃんとは思うけれどもね」
あのちゃん
「だからその逃げるってことも行動力だなって思う。
すごく勇気もいるし、パワーも使うけど、自分自身で認めてあげることができたらいいなって思いますね」
上田晋也
「皆さんの立場って、励みとか希望になるよね。
こうやってね、活躍して、楽しく過ごしてらっしゃるんだから。自分は大丈夫だ、うちの子も大丈夫だって思えるような、きっと存在じゃないかなと思います」