2024年 パリ五輪に出場した
柔道 阿部一二三選手・阿部詩選手。
そして、卓球の平野美宇選手。
阿部兄弟の父阿部浩二さんと平野美宇選手の母平野真理子さんが出演されました。
お二人とも教育方法などは全然違いますが、
明るく前向きでエネルギーに溢れている所は共通しているようです。
一二三、詩、美宇という少し変わった名前の由来についても、面白いお話をお伺いすることが出来ました。
子どもの名前の由来
阿部一二三(ひふみ)さん詩(うた)さんの名前の由来
さんま「すみません。一二三(ひふみ)はどういうあれでおつけになったんですか?」
阿部
「一歩ずつっていう意味はあるんですけど。まあ、後付け的なところもあって。
ひらめきもちょっとあるんです」
さんま「え、詩(うた)ちゃんは?」
阿部「パッと思い浮かんだやつをちょっと付けた感じなんですよ」
さんま「あ、生まれた瞬間に、あ、この子「詩」や」
阿部「顔見ながら、どないしようかなみたいな感じなんですよ」
平野美宇(みう)さんの名前の由来
平野真理子さん(平野美宇さん母)
※長女美宇さん(24)、二女世和さん(21)、三女亜子さん(20)
「うちは世界情勢。うちの夫がすごくそういう世界情勢が好きで。
例えば「美宇(みう)」だったら、その時にエンデバー号が飛んだんです。お腹の中にいる時。
だから、「美しい宇宙だ」って言って、美宇ってつけて。
で、二女は当時結構あのイランイラクとかの戦争の時で。
「世界平和だ」って言って、世界の世に平和の和で「世和(せわ)」。
で、三女はね、アジアの方で問題が色々ある頃で。
こう「アジアの子として誇り高き」ってことで、「亜子(あこ)」なんです。」
平野美宇ママの教育法 心の安定と強さのために…
「会話」を大事に 心のパズルにピースを1つずつはめていく
平野真理子さん(美宇さん母)
「うち、5歳の頃からの話なんですけど。
試合が始まって、ちょっとでも相手にリードされると、もうすぐ泣いちゃって。もう涙と鼻水で顔はぐしょぐしょだし」
さんま「あの、負けず嫌い?」
平野
「そうそう。なんてこんなうちの子はメンタル弱いのかなと思って。
どうしたらいいんだろうって悩んだ時期があって。
もう叱るとかもう突き放すとか色々やってみたんですけど。
でも結局うちの子はなんかそれが合わなくて。
まあ一応私の中で平野家の結論としては、もう会話。
あの何ていうの、話をするって言うんでしょうかね。
それを大切にしようってことで話を…」
さんま「だから何でも話し合おうってことの結論に達したんだ」
平野
「そうそう。まあ、子供の心は100ピースのジグソーパズルだとイメージして。
その1会話すると、1ピースはまる。
また1回失敗して、また会話すると1ピースはまるって感じで。
あと99回っていう気持ちで。」
さんま「人生は100ピースだ」
平野
「そういう感じで。まあ、話してた内容としては、やっぱりあの勝負が大事じゃなくて、最後の1点まであきらめずに頑張り抜くことだよとか。ね?」
さんま「あ、パズルがはまるんだ」
負けたときの約束「絶対言い訳しない」
平野
「そうそうそうそう。負けたときの約束もあって、絶対言い訳しないとか。」
さんま「負けたら言い訳しなさんなよって言うんだ?」
平野
「そうそうそうそう。
まあ、5歳の頃からアジア2世ってことで取材を受けることもずっとあったので。
「負けても取材拒否をしない」っていう約束をして」
さんま「5歳で?」
平野
「そう。5歳で。
で、「もし負けて取材拒否をするなら、勝って優勝した時も優勝インタビューを受けるな」っていう約束をして」
さんま
「インタビューやるならやる。やらないならやらない。はっきりしなさい」
平野
「そうそう。そうしなさい。
自分で決めて、どっちか選びなさいって言って」
さんま「そんなら「する」って言ったんだ?」
平野
「そうそうそう。するって言って。
全てだからこういろんな面でこういう見方というか。
あと私が多分教師をやってて。10年ぐらい。
色んな子供たちに接してきて」
さんま「ああ、それでそんだけ喋らはるんですか」(笑)
平野「そうだと思います」
阿部一二三・詩さんパパの教育法
さんま「お父さん柔道は?」
阿部浩二さん(一二三(27)・詩さん(24)父)
「全く知らないんですよ」
さんま「その体つきはなぜ?」
阿部浩二さん
「僕は仕事消防(士)やってますし、若い時ちょっと水泳をかじったりしてたんで。
ちょっと人よりがっちりしてるかなっていう感じはあります」
さんま「やっぱあれ遺伝なんだ?あの体は」
阿部浩二さん「いや、できすぎてるなと思って。子供たちが。できすぎてると」
さんま「ああ、でも素質があったんでしょ?3歳位で」
阿部「う~ん、どうでしょうね?信じてはいましたけどね」
さんま「奥さんが運動神経いいんですか?」
阿部
「まあ、女房も大したことないですね。
もしかしたらすごいかもしれないんですけど、片鱗は見たことないです」
さんま
「いやいや、奥さんの動きとか素早いなとか。
風呂上がりすごいスピードやなとか(笑)。絶対気づくところはあるはずやけども」
常に前向きな言葉をかけ続ける
さんま「お父さんは教えられないですもんね?」
阿部一二三父
「僕全くやってないんで。
全く分からないんで、僕はもう刷り込みですよね。
「お前は絶対世界一になれるぞ」「日本一になれるぞ」「次は絶対勝てるぞ」。
もうそういうことずーっと。
もう負けようが何しようがずっと言うんですよ。
ずーっと言い続けるわけですよ。
(否定的なことは)絶対言わないです。
ダメやとか。負けないとかも言わない。
負けないじゃなくて、「勝つぞ」ですね。
「世界一」「日本一」とかもうそんな分からないからですよね、これ。
分かってたらもうプロの頂点もうこんくらいしかなれないのよっていう。
僕は分からなかったからこそ、そういうバカみたいな。
それを刷り込んで刷り込んで、刷り込みを。
とにかく会場で大声はりあげて、「がんばれ!」とかね。「いけ!」とかね。「大丈夫や!」とかね(笑)」
さんま「ああ、ちょっとしたアニマル浜口だ」(笑)
子どもが負けたときは、親である自分たちの行いを振り返る
阿部一二三父
「僕んとこ2人柔道やってます。もう1人上もおるんですけども。
その2人がちょっとずつ努力のかいあって、まあ勝利できるようになってきたんですよね。
小さい時は負けてばっかりで、もうどないもこないもならなかったんでね。
そしたら、少し大きな大会に出場するようになってくるじゃないですか。
ほんならこう、やっぱこう負けるわけですよ。
そこでね、負けてしまうんですよね。
そんなら、僕らももう柔道の方にね、全振りして。
女房と僕もずーっとそればっかりに力をこう注いで来とるわけでね。
ほな、なんでこれ、今日は何がアカンかったんや言うて。
で、彼らの内容じゃなくて。
なんで俺らあの時に声かけられてあげられなかったかな。
あの3週間とか4週間前に、あの時のあの食事がアカンかったかとか。
もうなんせ、どんどんどんどんそういう風にね。
俺たちの何が足りてないんやとかね。
そういうことを女房とこうずーっと話をするわけなんですよ。
ご飯食べながらですね。
そんなことばっかし、言ってました。」
パリ五輪2回戦で負けた詩さんにかけた言葉
さんま「自分がやってないからね」
阿部一二三父
「やってないから、分からないんですよ。
あのーこの間妹ね、ちょっと負けてしまったんですけど(パリ五輪まさかの2回戦敗退)。
その時にねやっぱり、あーって。
僕らもね、そこでね、会場で観てたんですよ。
やっぱりこう、そん時はね僕らはそこまでこう実感できてないんですけど。
負けたときはね、「ああ、負けたなあ」みたいな、感じになるんですけど。
しゃあない。負けてもうたなあってなるんですけどね。
なんかやっぱりこう色々真っ白になったんでしょうね。
なってしまって、こうああいうもう何も考えられへん状態になったら、ああなるんやなあ思ってね。」
さんま「勝てるってもう完全に思ったもんね」
阿部一二三父
「いや、僕らもね負ける想像がね、ゼロなんですよ。
ほとんど負けたことなくて。ここ最近ね。
あの子らも一二三も詩も負けることに慣れてないから。
せやから、もうえらいもんでね。
俺そこでばーっとこう、一番大事な時に、それがねやってきたときに、リアクションがもうどうしていいか分からなくなる。
私もですし、周りもみんなそうかもしれないですね」
さんま「負けるはずがない。全部一本勝ちするつもりやったからね」
阿部一二三父「これを4年間ずーっと思い続けるんかな思ったら…」
さんま
「ああ、思い続けるやろ。あの時にこれを言っとけばとか。関係ないねんけどね」
阿部一二三父「そうです。関係ないんですよ。関係ないんですけど」
さんま「お父さん、最初に何ていう言葉かけてあげたんですか?負けた後」
阿部一二三父「なんて言うたかね、僕も覚えてないんですけどね」
さんま「なんでや」(笑)
阿部一二三父
「お疲れさんって言うたのは覚えてます。
「ああ、お疲れ~」言うて。
まあ、そん時しょうがないなって言うたかどうかは覚えてない」
さんま「ああ、控室行ったらお兄さんもいらっしゃるじゃないですか?」
阿部一二三父
「お兄はたぶん次試合控えとったんで。
なんて声かけたかまだ聞けてないですね。
深くはやっぱ聞けないですね。ですよね?」
松本薫「聞けない。聞けないです」
さんま「あ、やっぱりお疲れさんだけか」
松本薫
「お疲れさん…私リオの時銅メダルで負けちゃって。
でもちょっとメダルは取れたんですけど。父にかけたんですね。
そしたら、まあその前が金だったんで。
母のための金で、父のための次オリンピックだったんですよ。
そう。そしたら父が、銅メダルを見ながら「わしも金がよかったなあ」って」(スタジオ爆笑)
さんま「ああ、笑いに変えてくれたんだ」
松本薫「そう」
阿部一二三父「ああ、そこまでやらないと。僕まだ足りてないですね」
さんま「お母さんは負けたときはどういう言葉をかけてあげるんですか?いつも」
平野美宇さん母
「そうですね。あの、今回初めてシングルスのオリンピック。
団体戦は前回も出させていただいたんですけど、シングルス初めて勝ち取って。
あと一歩のところ。
マッチポイントとってたんですけど、あと1点が取れなくて負けちゃったんですよ」
さんま「試合としては、ものすごい面白かった」
平野美宇さん母
「ああ、ありがとうございます。やっぱり同じです。お疲れ様しか言えなかったですね」